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『Z世代のネオホームレス』を読んで 【235/200】
ヤマカワタカヒロです。
今週は読書感想文を。
Podcastの「コテンラジオ」→「愛の楽曲工房」とつながって、青柳貴哉さんのことを知りました。
元芸人で今はYouTubeでホームレスの実態に迫るドキュメント番組「アットホームチャンネル」を運営されている方。
「アットホームチャンネル」については、その存在を知りつつ、視聴したことはありませんでした。
それは、僕自身のinputにおけるテーマとメディアの相性が大きいのかなと思っています。
僕は、動画コンテンツについては、刺激の強さから、慎重に視聴するようにしています。
自分の感情を強く揺さぶることが確実にわかっているテーマについては、心のコンディションを整えた上で視聴しないと、心にダメージを受ける可能性がある。
あるいは、理性に対して感情が優位になりすぎて、テーマに対して深く考えることができなくなる。
そのあたりの自分の認知特性から、僕は、社会課題に関係するテーマについては、書籍や音声コンテンツなどでじっくりと受け取るように心がけています。
で、「愛の楽曲工房」で青柳さんが書籍を出したことを知り、これはぜひと思い、すぐに購入しました。
積読棚の順番待ちから、少し遅くなりましたが、今週末、ようやく読むことができました。
この本では、これまで青柳さんが取材されてきたホームレスの方々と違う対象として、若者世代のホームレスについて、書かれています。
自らの意思で家に帰らない4人の若者たちと青柳さんのやりとりの記録。
そこで語られる、自分が知らない、体験したことのない、想像の範疇外にある出来事。
そして、その当事者たちの生声。
案の定、僕の心は大きく揺さぶられているし、だからこそこうやって読書感想文を書いています。
自分の中で、心にピン留めされたキーワードをいくつか。
・「ホームレス」が示している対象は多様化しており、もはや一括りにできない
・コミュニケーションの圧倒的な不足と、人による物事の見え方の違いの大きさ
・「精神的な理由で居場所がない」という問題にどう向き合うか
この本で社会に発信してくださっている情報の価値に加えて、僕は、青柳さんの眼差しとか言葉の選び方・使い方に共感を覚えます。
しかし、残念ながら僕は誰かを救えるような人間ではない。僕のような者が誰かを救おうなどと考えているとしたら、おこがましいにもほどがある。僕はそんな大した人間ではない。
「自分がただ知りたいから」という目的で「アットホームチャンネル」を始めたこと、取材対象者に出演料を支払い、自分はYouTuberとして収益を得ていること、など、青柳さんは自身の活動について飾ることなく率直に語っています。
「実感として、できることは何もない」
僕が彼らを取材し、最も強く感じたのはこれだ。
この本の中に度々出てくる言葉に「無力感」があります。
青柳さんは社会活動家を自認していないし、自分の目的のために活動している、と語っています。
本当にそうであれば無力感を感じることはないはず。
それでも無力感を感じるのは、本音で取材対象のことを心配していて、やはり「できることなら力になりたい」と願っているからだと思うのです。
「何が問題なのか?」「どこに何をしたら少しでも社会善につながるのか?」「そもそも何が社会課題なのか?」そういった問いをずっと繰り返しながら、今、できることをやり続ける。
たとえそれが無力感しか生まなかったとしても、ハチドリのひとしずくのように、いつか大きな変化を生み出す可能性があることを信じて、現実社会で行動をし続ける。
社会活動というものは、そういうものなんじゃないかと思います。
そして、青柳さんはまさにそういう活動家の一人なんじゃないかと思うのです。
この本に出会えて、よかった。
この本で得た新しい知識と、感じた無力感と共感を胸に、来週もまた考えながら行動していきたいと思います。
この読書感想文も、先週のnoteと同じ言葉で、締めたいと思います。
それでも、絶望してはいけないのだ。
正しく暗闇で満たされた心を道連れに、希望を描き続けていく。
今を生きるということは、そういうことなんじゃないかと思う。
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