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求人でよく見る「みなし残業代」― ブラック企業経験からわかったリアルな話
以前書いた「ブラック企業で働いていた時の話」でも触れましたが、私が勤めていた会社は、固定残業代(みなし残業代)がある企業でした。
結論から言うと、みなし残業代がある企業には入社しない方がいいです。その理由は、働き始めてから「こんなはずじゃなかった…」と後悔することが多いからです。
みなし残業代とは?
まず、みなし残業代とは「一定時間分の残業代を最初から給料に含めて支払う」仕組みのことです。求人にこんな記載を見たことはありませんか?
月給25万円(固定残業代45時間分を含む)
固定残業代:60,000円/45時間分含む。超過分は別途支給
これは、月給の中に45時間分の残業代があらかじめ含まれていることを意味します。
私の体験談:固定残業代があった会社
私が以前働いていた会社では、「固定残業代45時間分」を含む給与体系でした。
一見すると「45時間分の残業代が含まれているから、得なのかな?」と思います。実際は、まったく違いました。
1. 残業が当たり前の雰囲気
入社して驚いたのは、社員全員が「残業はして当たり前」という感覚になっていることです。
例えば、
定時に帰ろうとすると「もう帰るの?」という目で見られる。
上司から「固定残業分の時間は働くのが普通でしょ?」と無言の圧力。
最初から45時間分の残業代が給与に含まれているため、「残業は当然」という雰囲気が会社全体に蔓延していました。
2. 残業が45時間を超えても…
固定残業代が45時間分と決まっていましたが、実際はそれを超える残業が日常茶飯事でした。
例えば、
月60時間の残業をしても、45時間分までは固定残業代でカバーされるため、残りの15時間分だけしか支払われない。
会社によっては超過分の申請をしづらい雰囲気があり、「サービス残業」になってしまうケースも。
私の場合、タイムカードが形だけの存在で、申請を諦めている社員も多くいました。
3. プライベートが崩壊
残業が続くことで、自分の時間や健康が犠牲になります。毎日終電近くまで働いて、帰宅後は寝るだけ。週末も疲れ果てて何もできない…。
この生活が当たり前になると、心身ともに限界が来るのは時間の問題です。
みなし残業代のメリットとデメリット
メリット
求人の給与額が高く見える
固定残業代が含まれている分、基本給が高く見えます。企業側の事務処理が簡略化される
残業代の細かい計算が不要になるため、企業にとっては楽です。
デメリット
残業が常態化する
「固定残業代が出る=その時間までは残業して当然」という雰囲気が生まれやすいです。超過分の残業代が適正に支払われないケースもある
実際に働いた時間が45時間を超えても、「超過分の残業代」が正確に支払われない企業も少なくありません。労働環境がブラック化しやすい
残業が前提の会社では、社員の健康やワークライフバランスは後回しになりがちです。
みなし残業代の求人には要注意!
みなし残業代は一見魅力的に見えるかもしれませんが、その裏には残業が常態化していたり、労働時間がブラック化しているリスクが潜んでいます。
私自身、固定残業代がある会社で働いていたからこそ言えますが、こういった企業では「残業が当たり前」の空気に飲まれ、最終的には心身ともに疲弊してしまいます。
求人を見るときのポイント
求人に「固定残業代」「みなし残業代」と書かれている場合は、以下のポイントをチェックしましょう。
固定残業代が何時間分含まれているか?
超過分の残業代は必ず支払われるか?
社員の残業時間の実態はどうか?
特に、45時間以上の固定残業がある企業は要注意です。給与が高く見えても、その代償としてあなたの時間と健康が犠牲になる可能性があります。
「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、求人の詳細をしっかり確認し、自分に合った企業を見つけてください。