南海トラフ 2
続きです。
「南海」に続いて「トラフ」です。「トラフ」は英語の「trough」で、日本語では「舟状海盆」というそうです。漢字にしてしまえば読んで字のごとく「舟状の海底盆地」ですから、海底の細長い凹地のことを言うそうです。海の溝と書く「海溝」なんていう言葉を聞いたことがありますが、こちらは英語で「trench」です。海溝だけでなく、溝、排水溝、塹壕と広い意味になります。トレンチコートは第一次世界大戦のイギリス軍で、防水型の軍用コートが求められたことから開発され、泥濘地での塹壕戦で使用されたことから、現在でもトレンチコートと呼ばれるということでした。
「トラフ」は「トレンチ」ほど深くなく、両側の斜面も緩やかな地形だそうなので、まさしく「舟状」なのでしょう。「南海トラフ」となると、近畿地方南部と四国全域のトラフとなるべきところかと思うのですが、富士市辺りまで続くトラフを「南海トラフ」というそうです。南海トラフは富士市で陸地にぶつかっているのですが、これに続くのが富士川河口断層帯。しかし、「続くのが」と書いてしまいましたが、それもはっきりしないそうです。断層とトラフの違いも今一つ理解できておりませんので、この辺りで「断層」についても言及しておきたいと思います。
「断層」は、地下のの地層もしくは岩盤に力が加わって割れ、割れた面に沿ってずれ動いて食い違いが生じた状態を言うそうです。「トラフ」はただの地形ですが、「南海トラフ」は、とても大雑把に言えばプレートとプレートの境目のようなところですから、やっぱり「断層」とはちょっと違います。この辺りはにわか勉強では理解しきれない部分なのでしょう。
この南海トラフ付近を震源とした大きな地震が何度も起こっており、「そろそろ来るぞ」ということなのでしょう。遡ってみると
1946年 昭和南海地震 (次の地震までの年数)
1944年 昭和東海地震 ( 2年)
1854年 安政南海地震 (90年)
1854年 安政東海地震 (0年)
1707年 宝永地震 (147年)
1605年 慶長地震 (98年)
1498年 明応地震 (107年)
と周期とは言えませんが100~150年ごとに地震が起きています。前回の地震の100年後であれば2046年ですからあと22年。とは言え、統計通りに行くわけではありませんから、非常食を備蓄して、津波の時にどこに逃げるかなんて言う所は考えながら生活した方がよいのかもしれません。