「キャラ営業」ではないけど

 坂井洋子著「キャラ営業の極意」を読んでいて、10年前のことを思い出しました。当時39歳の私は、一応会社経営に携わっていたものの、生来の性格からか、自分を前面に出すようなことはありませんでした。「キャラを活かす」なんていうことも考えたこともなく、黙々と自分のやるべきことを積み重ねていくという感じでした。

 39歳といえば、次の年は40歳となり青年会議所活動の最終年です。最後ともなると、地域の活動だけでなく、県、関東地区、日本への出向なんて言う者も勧められます。私も御多分に漏れず勧められるがままに、埼玉県へ出向することになりました。青年会議所は地域、県、関東地区、日本とありますが、全て毎年役職が変わります。ですので、出向ともなれば、初めて会う方がほとんどです。そうした状況ですし、最後の年ですから、ちょっと変わったことをしてみようと思いました。それが、自らのキャラ設定です。

 折しも2013年は我らがカープはクライマックスシリーズ初出場を果たし、「カープ女子」なんて言う言葉がはやり始めた頃でした。私は当時カープファン歴28年でしたが、カープについて時々ブログに書く程度で、ファンであることを前面に出しておりませんでした。そんな背景もあって、出向先の自己紹介では「カープファンです」とピーアールをしておりました。コミュニケーションが上手くない私ですが、「カープファンです」が会話のきっかけになるようで、それについて話しかけてもらえることが多くなりました。

 青年会議所では、そんな感じだったのですが、当時盛和塾にも席があり、歳の近い野球好きな弁護士の方が「今年のカープはどうですか?」みたいな感じで、話しかけてくれるようになりました。弁護士の方なんて、それまで知り合いにいなかったので、肩書きに気圧されて自分から話しかけたりできていなかったのですが、私のマニアックな野球話を気に入ってくれたようで、それから良く呑みに行ったりするようになりました。

 そんな感じで、仲良くさせて頂ける人が増えただけでもありがたいのですが、その弁護士の方から小中学校の同級生でカープファンだという女性を紹介して頂けることになりました。カープファンというだけでなくビールが好きとのことで、そんな方を2015年に紹介して頂き、2016年の6月に結婚となりました。その年にカープが優勝、それから3連覇と夫婦で楽しい時を過ごし、カープの成績は低迷したものの、幸せに現在に至っております。そんな訳で「キャラ営業」とはちょっと違いますが、キャラ設定をしてよかったというお話でした。

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