生くる 5
続きです。
「『学』とは何か」にあとは「真実とは何か」と、重厚なタイトルが続きます。真実は真理とも言い換えられ、それを探求する者の研究の中心は宗教、歴史、哲学、科学などだとありました。著者はそれらを研究するにあたり、その学問を生きた人物そのものの研究を軸としてきたそうです。このあたりは「読書」、「学」の話と一貫性があります。真実を探求するのですから、そうした人物を心底信用・信頼するということでしょう。心酔するという言葉でも良さそうです。私個人としては、稲盛和夫、広田弘毅、西郷隆盛、勝海舟、杉山茂丸、高橋慶彦、、、と尊敬すべき方がたくさんいらっしゃいますが、心酔するという所まで行っているのは稲盛塾長くらいかなと思います。著者は、私にとっての稲盛塾長くらいの熱心さ、いやそれ以上の深堀をたくさんの人物に対してされている印象があります。私ももう少し、深堀出来るように努めたいと思いました。
また、著者は幼少期に大病をしたことから、すべての学問や理論を人体機能に還元して考える癖があったとありました。当時、何とか一命をとりとめたものの退院時に両親が担当医か「(息子さんを)豚だと思ってください。肥え太らせることだけ考えてやって下さい。」と言われたのだそうです。聞いたことも無いようなひどいセリフで、当然ご両親は担当医に食って掛かったそうですが、著者はその言葉から、自らが嫌われることをいとわず厳しいことを言ってくれた担当医の深い愛情を感じ、恩に報いねばと思っているとありました。この辺りはちょっと、解釈が難しいですが、結果として担当医によって命を救われたことからこう思うに至ったのでしょう。また、担当医に両親が食って掛かり、大人3人が自分の命のために必死で口論しているのを聴いて、自分の命の価値を感じられたということでした。それにしてももう少し言い方がありそうに思えてしまい、ちょっと腹落ちしておりません。
私自身、著者ほど深刻な状態ではないものの、身体の不調に悩まされた時期がありました。正直、当時周囲から身体のことで何か言われても、「何もわかっていないのに、煩い」なんて思っていたくらいなので、著者のような解釈など全くできておりませんでしたから、この辺りについて、著者の他の本なども読んで理解できるようにならないと、真実に近づくことが出来ないのかなと思いました。
まだまだ続きます。