バセドウ病との戦い~コーチの視点~
本日は、大宅楓選手【大東建託パートナーズ】の半年に一度の定期健診の日。バセドウ病罹患時から、大変お世話になっている伊藤病院で、診察&血液検査を行います。
バセドウ病の手術から、はや二年。バセドウ病自体は完治しましたが、大宅選手の場合、甲状腺を全て取る甲状腺全摘手術を行ったため、生涯、毎朝、必ず薬を服用しなければなりません。
術後の経過は順調でしたが、この薬との相性や、術後の手術部位の違和感、気道が狭くなっていくような感覚があり、トレーニングに関しては、試行錯誤の連続でした。(これは今も続いています)
本人も感じている部分ですが、指導者の私も、以前の身体や練習内容と比較してしまう傾向があり、なかなかペースが掴めなかったのですが、ようやく
罹患前の状態に戻ってきた感じです。
本人の顔色や体調を見ながら、練習メニューを調整したり、多めにリカバリーを入れたりと、工夫しながら取り組んでいます。
心がけているのは、
・指導の固定概念を捨てること
・本人とのコミュニケーションを密に取ること
・練習中は心を鬼にする
・本人の立場になって物事を考える
・絶対に諦めない!
主に上記の五点。
練習中、気道が狭くなり、呼吸が荒くなってくると、正直なところ、いたたまれない気持ちになり、途中で練習を切り上げたくなることもしばしばです。でも、途中で止めてばかりいたら、力はつきませんから、練習中は、心を鬼にしています。
あまりメディアに取り上げられるケースが少ないのですが、アスリートのバセドウ病罹患のお話を、最近、耳にするようになりました。
同じ病気で苦しんでいる選手や指導者の方々に、少しでも役立つことがあれば、大宅選手も私も、惜しみなく協力させて頂きたいと思っています。
※術後、初めてグラウンドに立った大宅選手。10分jogからのスタートでした。