ブランクの克服
9/11で、大宅楓選手【大東建託パートナーズ】のバセドウ病手術から、3年の月日が経過しました。
これから先も、9/11を迎える度に、健康の有難さと、大宅選手とのバセドウ病からの復帰の道のりを、思い出すことになるのでしょうね…
目標としていた東京オリンピック出場の夢は潰えましたが、新たな目標に向かって、大宅選手は走り出しています。
手術から3年。
ようやく、術前の力を、上回ってきたなと実感できるタイムが、出てきました。いっぽう、術前には、余裕を持ってこなせていた、トレーニングが、未だにできず、ブランクの重みを実感しています。
競技選手のブランクにもいろいろな種類があると思うのですが、
・故障によってできたブランク
・精神面の不調によってできたブランク
・病気によってできたブランク
・出産によってできたブランク
大宅選手の場合、甲状腺を全摘出するという手術(トップ中長距離選手の症例が殆どない)によるブランクでしたので、前例が殆どなく、トレーニング強度や休養とのバランス、薬との相性など、いまでも試行錯誤の毎日です。
コーチとして、常に心掛けているのが、
・大宅選手との対話
・他の選手・チームの指導、取り組みと比較しないこと
・練習時におけるコンディション把握
といった点でしょうか。
駅伝チームのように、常日頃から、一緒にいれるわけではなく、住んでいる場所も離れていることから、マイナス要素が多いのは事実ですが、マンツーマンで取り組んでいるプラス要素もあるのかなと考えています。
ブランクの克服において、最大の敵は、焦ること。それと、良かった時のイメージを、選手も指導者も、追い過ぎてしまうと良くないと思います。
一旦、ゼロベースから、新しい自分を創り上げていく、そんなイメージが良いのかもしれませんね。