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動き出した生徒会 校則プロジェクト

生徒会の課題

本校の生徒会は正直機能していなかったかもしれません。毎年同じようなことをメンバーが入れ替わりおこなっていました。生徒会役員をやりたいという生徒は少なく、生徒会の役員である後輩にお願いしてやってもらうような感じ。何か新しいアイディアが出たり、何かを作ってみたりするのではなく、毎年同じ枠の中で同じことを繰り返すのみ。生徒総会では、会計報告、役員メンバーの紹介、部活動部長からの一言をひたすら聞くのみ。これで何かが変わったり、何かが改善することは厳しいのは明らかです。そこで今年から以下のことをやってみることにしました。
① 生徒会そのもののあり方を見直す
②生徒総会とは何をする場なのかを見直す
③生徒会が職員会議に出席できるようにする
④対話をベースとすること

生徒総会は聞くだけの場所?

2. 動き出した生徒会

課題が言語化されてやるべきことがわかった生徒会の動きはとても早かった。驚くほどに。「デジタル目安箱」を設置し全校生徒に対し「学校の魅力化」に向けたアンケートを実施しました。そういった意見の中から、スモールステップで実現可能なものをピックアップしていきました。彼らが選んだのは、①靴下の自由化②自動販売機の値下げの2つ。これらを生徒総会で全生徒に向けてプレゼンしていくために、主観的な要望ではなく、客観的な事実とデータ、他校の事例等を含めて資料を用意するようにとアドバイスしました。これまでにやったことのない新しい取り組みであるため、前例はなく、模索状態の彼ら。そんな彼らの表情はとてもイキイキしていました。

後期生徒会のメンバー。模索の連続です。

3. 生徒総会から職員会議へ

生徒総会は時間が限られていましたが、生徒会提案という形で全校生徒にプレゼンテーションしました。ここでまずったなーと思ったのが、多数決で決めてしまったことです。これは非常に良くない。ここで今一度生徒全員に対しアンケートをとる必要があったと思っています。反対意見にこそ、改善のチャンスがあります。反対となる意見を把握し、全ての人の意見が反映されるように努めていくことが、生徒会の大前提となるため、ここは大きな反省点となりました。ともあれ、これまでの生徒総会からは180度形を変えることとなり、教員の中からは「感動した」という声も。いやいや、これが本来の生徒総会なんですよ。
そして、生徒会の役割はここからさらに踏み込んでいきます。御殿場西高校史上初、生徒が職員会議に参加しました。他校では近年では良くあると思いますが、本校ではカルチャーショック的な出来事です。生徒のプレゼンに対し、先生方からも多くの質問が投げかけられました。ただし、そのどれもが相手を説き伏せようというものではなく、非常に前向きなものであったと感じます。生徒がゼロから動いて何かを変えようと努力している姿を、教員は応援したくなるものなのだなーと改めて感じました。生徒と教員の共創プロセスの第1段階が終了となります。

職員会議でプレゼンする生徒会メンバー
それを聞く先生方。もっと前に乗り出して聞いてほしいよね

4. 今後の展望

生徒会が今やろうとしているのはまさにPBL。校則プロジェクトとなります。彼らはまだ校内の視点しか持っていないのが大きな課題ではないかと思います。ここから彼らのプロジェクトをより現実的なものにしていくためには、学校の外部との連携は必須となります。業者との打ち合わせ、他校視察、国内で校則改善プロジェクトをおこなっている他校とのオンラインミーティングなど、やるべきことはたくさん。教員はそのサポートをしていくことになります。もちろん僕も。
そして、全校生徒が校則に対して当事者としての意識を高めていくためには、自己選択をさせるためにいかに巻き込んでいけるかになります。自己選択させることで責任への自覚も生まれます。一人も取り残さない、全員が関わる学校づくり。生徒会の役割はやはり大きく、責任も大きい。これまでやっていた生徒会とは責任の大きさも全く異なる。だからこそ、最高なんだと伝え続けていきたいです。

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