自販機のジュースにばかり群がって都会の虫は樹液を探す/蒲生友人
2022年6月4日(土)のうたの日15時部屋の題「虫」の短歌。
夜、蛍光灯の光に集まって来る昆虫たち。街灯や家の明かりなどにも集まるが、作中主体の見た場所の明かりは、自動販売機の蛍光灯ぐらいだった。そこに昆虫たちが群がっている。
その自動販売機ではジュースなどが売られている。そもそも昆虫たちは何を求めているのかということに作者は目を向けた。そこで光にではなく、ジュースを求めて飛んできていると想像した。つまり、自然界で言うところの樹液に代わるものとしてジュースに集まっているという捉え方をしたのだ。
「都会の虫」の虚しい努力が詠まれているおもしろい一首。
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