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結露に悩んだらコレ!この冬からはじめる3つの対策
いよいよ12月も半ばに差し掛かり。
今年は暖冬と言われていますが、朝晩はグッと冷え込んできました。
寒くなると目にする機会が増えるのが「結露」です。
朝起きたら寝室の窓ガラスがびっしょり!
なんて、毎年お悩みの方も多いのではないでしょうか。
結露というのはただの水ですから、
それ自体には大した害はありません。
しかし水に濡れた状態が継続すると、カビが繁殖したり、木材が腐食したり、そこにダニやシロアリが集まって来たり…
住まう人の健康を損ねたり、家を劣化させたりする有害な状況が生まれてしまいます。
この冬はそんな状況をつくらないよう、
対策を考えていきたいと思います。
結露はなぜ生じるのか?
まず、結露が生じる条件は
① 室内の空気中の水分量が、外気より多い
② 室内に、冷たい(露点温度を下回る)場所がある
上記の①②が揃ったところに結露水が発生します。
ということは、対策は
① 室内の水分量を減らす
② 室内に冷たい場所をつくらない
のいずれかを実施できればOKです。
とはいえ、空気が乾燥しているのは辛いですよね。
湿度の低い過乾燥の状態が続くと、ドライアイやアトピー性皮膚炎の悪化、風邪やインフルエンザにかかりやすくなるなど、健康上有害な環境となってしまいます。
だから、冬の健康対策として「加湿をして湿度を60%に保ちましょう」などという記事を目にすることも多くあります。
しかしここで加湿器を使うと、家の断熱性能が低い場合、加湿器から放出された水蒸気が窓などの冷たい場所に触れると、結露して水に戻ってしまいます。
「加湿器から窓へ水を移送する」
というサイクルをつくってしまうのです…。
![](https://assets.st-note.com/img/1701404427302-vatWnf83AH.png?width=1200)
上記は露点温度をあらわすグラフですが、
室温20℃で50%まで加湿した空気は、窓など表面温度が8℃を下回った場所で結露を生じてしまうことがわかります。
ちなみに窓ガラスが厚さ5ミリの単板(1枚)ガラスの場合、外気温が4℃を下回るとガラス面に結露が生じる計算になります。
20℃・50%というのは控えめの温湿度設定で、実際に快適な温湿度は22℃・60%程度になりますので、
「より快適な空気環境を目指すほど結露は増える」
という結果になります。
では、どうしたら結露に悩まされない状況をつくることができるのでしょうか?
具体的な対策方法を見ていきましょう。
対策① 換気を徹底する
まず残念ながら、断熱性能が低い家では、結露を生じさせずに室内の高湿度を維持する方法はありません。
また、わざわざ加湿器を使わずとも、室内には水分の発生源がたくさんあります。
洗濯物の室内干しや、入浴時の浴室ドア開閉といったわかりやすい湿気から、灯油やガスファンヒーターの排気、調理に伴う蒸気、さらには人間から発散される水分…
普通に暮らしているだけでも、たくさんの水分を発生させています。
これらの湿気を排出し、窓表面に触れても結露しない(露点以下の)水分量に保つことが、低断熱の家にとって最も手軽な「結露を生じさせない方法」になります。
方法としては、各部屋の給気口を開け、浴室や台所の換気扇を常時運転すればOKです。(各部屋から換気扇までのドアは少しでも開け、換気経路を確保すること)
![](https://assets.st-note.com/img/1701318542914-B2AJiSiLT0.png?width=1200)
とくに古いマンションなどの「気密性が高く、断熱性が低い」家には、結露抑制効果はてき面です。
この場合の注意点は、
・暖房により暖めた空気も排出してしまうため、暖房効率が下がる
・空気中の水分の絶対量が減るため、室温を上げるほど湿度は下がる
ということです。
過乾燥を防ぐには室温を低めに保つことになるため、高齢者や心疾患などをお持ちの方には厳しい温熱環境になるかもしれません。
温かく快適な湿度を保った居住空間をつくる場合は、次の「冷たい場所をなくす」に、ぜひトライしてみてくださいね。
対策② 冷たい場所をなくす
まず、家中で一番冷たい場所(断熱性能が最も低く、外気温を伝えやすい場所)は、窓です。
結露が気になる場所として、経験的にも納得できるところですよね。
「温かく快適な湿度を保った空間をつくるには、断熱性能を上げるしかない」とお伝えしていますが、実は、窓は比較的簡単なリフォームで断熱性能を上げることができます。
窓のリフォームは、大きく分けて3種類の方法があります。
① 今の窓はそのままに、断熱性能の高い内窓を追加する方法
② 今の窓のガラスだけを断熱ガラスに入れ替える方法
③ 窓そのものを断熱サッシに交換する方法(個所数が少ない場合はカバー工法がお手軽)
家全体の窓をすべて断熱化できれば最高ですが、そうなると予算も大きくなりますから、なかなか踏み切れませんよね。
しかし窓のリフォームは他の工事と絡みが少ないため、1窓だけ、1部屋だけと部分的な工事もおススメです。寝室やリビングなど、滞在時間が長い部屋だけでも、ご検討されてみてはいかがでしょうか。
窓リフォームは過去記事もぜひご参照くださいね。
対策③ 結露が生じたら、すぐに乾かす
断熱の弱点は窓とはいえ、床・壁・天井も、断熱性能が低く表面温度が低下すれば、結露が生じる可能性はあります。
窓に加え、床・壁・天井の断熱リフォームも行えば、最強の「エコ&健康ハウス」を完成できますが、そこまでの踏ん切りをつけられずに迷う方も多いかと思います。
しかし、悩んでいる間にも、結露は発生し続けています!
では今すぐできる結露対策とは。
ズバリ、「濡れたら乾かす」です。
押し入れや家具の裏などの床・壁にカビが生じるのは、空気の対流がないために、発生した結露水が乾かずに留まり、ジメジメし続けてしまうからです。
冒頭でも申し上げた通り、結露は純水ですから、それ自体には害はありません。しかし、その水を放置すると、木材の腐食やカビ・ダニの繁殖の原因となってしまうのです。
空気は2cm以下の隙間では対流が起こりにくくなるため、家具は壁から2cm以上離して置いたり、押し入れの床や壁面にはスノコなどを置いて隙間を確保したりすれば、自然の対流によって湿気を排出しやすい環境をつくることができます。
また、ジメジメしやすい場所には除湿剤を置くのも効果的です。
![](https://assets.st-note.com/img/1701828461503-j9qgfO6eKA.jpg?width=1200)
結露が生じやすい部分はできるだけ解放し、自然に乾きやすい環境をつくっておきましょう。
いかがでしょうか。
結露に限れば、換気や乾燥だけでも対策は可能です。
しかし、さらに「快適で健康」な空間をつくろうと思うなら、断熱性能もリフォームによって改善する必要があります。
断熱性能は、一度上げれば、その後もずっと性能を発揮し続けてくれます。
もし迷われている場合は、「やるなら一日も早い、今がおトク!」と、ぜひご決断いただけたらと思います。
みなさんが家で過ごすひとときが、どうか幸せでありますように (^^)
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![高橋みちる|リフォームコンサルタント](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/33958914/profile_a44dafafd63c4849e944557a1a4602de.jpg?width=600&crop=1:1,smart)