わが国の国柄を学ぶ教材づくりを!―美しい日本人の心を育てるために
●はじめに
先日、11月23日は「勤労感謝の日」で祝日であったが、戦前は「新嘗祭」という祭日だった。
しかし戦後、GHQの占領政策の一環で、皇室の大切な祭事をおこなう「祭日」は失われてしまった。
そういった事実が明らかになったことで、教育者として生徒達に祝祭日の意味を教える方々も見られるようになってきたが、改めて、私達は「皇室」に関することを学校教育の中でどのように伝えていったらよいだろうか
●文科省から教育委員会に出された通知―御代替わりに際して
天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に合わせ、文部科学省は全国の都道府県教育委員会などに向けた通知で、「国民こぞって祝意を表する意義について、児童生徒に理解させるよう」配慮を求めた。
通知では、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」に基づき、「国民は天皇陛下を深く敬愛し、この天皇陛下のお気持ちを理解し、これに共感していること」や、「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」の趣旨を踏まえ、「各学校において、あらかじめ適宜な方法により」教えるよう、学校への周知を要請した。
この問題は参議院予算委員会でも取り上げられ、有村治子議員の質問に対して、柴山昌彦文部科学大臣が「天皇についての理解を深める指導を行う場合の参考となるように、・・・皇位継承に関連する国事行為が行われることなどに関する資料を内閣府などと連携しながら周知をしていくことについても是非検討したい」と答弁した。
有村議員は「天皇陛下を国民は、ずっと百二十六代万世一系を保ってきた、その国民との紐帯ということにも分かりやすく、小中学生あるいは家庭学習、地域学習で学べるような形に御努力をいただければ有り難い」と要望した。
この有村議員の質問は、「美しい日本人の心を育てる」ことを理念として、教育正常化に尽力してきた全日本教職員連盟が安倍総理に対して、「『美しい日本人の心』を育むことに資する施策推進に関する要望」を提出したことを踏まえたものである。
●わが国の国柄を学ぶための教材等がないという課題
全日本教職員連盟によれば、学校現場には御代替わりに係る国事行為としての儀式や皇室の行事等を通して、わが国の国柄を学ぶための教材等がないという。
このことは次の問題を惹起する。
第一に、御代替わりについて知見の無い教師や保護者は、子供たちに正確な知識や情報を伝えることができない。
第二に、天皇制や国旗掲揚・国歌斉唱に反対する特定のイデオロギーを持った教師(共産党系の全教や日教組等)が、子供たちに間違った知識や情報を教える。
とりわけ、日本国憲法第一条の「象徴天皇」規定の意味について、これらの教員組合の理論的指導をしてきた戦後の憲法学者が、単なる「象徴に過ぎない」と強調したきたように、同様にその表現を強調することが懸念される。
戦後憲法学者の代表格である東大の宮澤俊義教授の『全訂日本国憲法』には、このように記されている。
●全日本教職員連盟からの要望―「美しい日本人の心を育てる」ために
しかし、「令和」への改元を祝う感謝と喜びに満ちた日本国民の姿や天皇即位30年や退位に伴う天皇と国民が一体となった深い心の絆は、天皇は「象徴にすぎない」ロボット的存在ではないことを如実に示した。
このような二つの懸念を未然に防ぎ、教員が子供たちに自信をもって十分な指導ができるようにするためには、国として、御代替わりをどのように子供たちに伝えるべきかを示した教材が必要である。
そこで、全日本教職員連盟は具体的に次の二点を要望している。
⑴御代替わりに関する教材(リーフレット等)を作成すること
⑵御代替わりに関するアーカイブを作成すること。
小学校社会科学習指導要領には、このように明記されている。
これが空文とならないように、批判を恐れず官民が協力して授業で活用できる教材の作成を急ぐ必要がある。また、御代替わりに関する記録を保存・活用するアーカイブの作成に取り組むことも重要である。
●元号の歴史と意義
ここから先は
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?