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大学の授業を4象限で考える ① 《授業形態の4象限》

この記事は、LISTENで語ったPodcastエピソードの文字起こしを元に作成したものです。下記リンクの▶️ボタンで音声を聞くことができます。リンク先では文字起こし記事を読むことができ、コメントをすることもできます。

https://listen.style/u/campus

従来型の対面授業にこだわり続ける日本の大学教員

四象限de考えるシリーズ。あちこちで展開する形になりますが、大学論でも四象限で考えることは いっぱいあるので、ちょっと考えてみたいと思います。

オンライン授業。

コロナ禍において、 日本の大学はオンライン授業を余儀なくされたわけですね。まさに余儀なくされたっていう感覚が 現場感覚だと思います。

大学の先生はなぜか対面授業が大好きで、 コロナが終わったら全部対面授業に戻してしまうぐらい対面授業が大好きなんですが、もっと言うと体面にこだわるのも大好きで、 大学の教員っていうのは体面で生きているようなところがあるんですけれども、それはさておきですね。

ガラパゴス的世界としての対面授業

この大学の授業っていうのは、なぜみんな対面授業でやりたがるのかっていう、これは相当、日本の大学は問題含みで、 日本の大学教員っていうのは相当ガラパゴスになってるというふうに思ってるんで、そういったこともぶちまけながら話していきたいんですね。 ちょっとぶっちゃけた形でね。

これを4象限においてみると、いかに従来型の対面授業っていうのが、ある限られたものなのかっていうことがよくわかると思います。

教育効果を最大化しようと思ったら、 従来型の対面授業だけにこだわるっていうのは全くナンセンスで意味がないということなんですが、なぜか大学の教員は従来通りの、もう習慣ですね、 染み付いちゃってるんですね。それが授業、講義だと思ってる

せっかくのコロナ経験を活かせなかった日本の大学

従来型の対面授業、非効率で無駄の多い対面授業ですね。しかも学生の方もそれに出席するのが嫌なんだけど、 単位取るためにはもう出るしかないという。そういう無駄と不効率と無意味さの塊のような対面授業ですけれども、せっかくのコロナの経験があったにも関わらず、日本の大学はまたそれに戻ってしまったという。これは私にとっては絶望的な状況なんですね。日本の大学がね。

端的に言えば、要はオンライン、オンデマンドをもっと活用しろと。そのほうが教育効果も上がるし、学生の個別対応もできるし、しかも学生の学習にもメリットが大きいし、学生たちは自分のペースで学びたいときに学びたいものをしっかり学べるのでちゃんと身になると。

ところが時間と空間を共有して、無駄に時間を共有することで、無駄に空間を共有することで非常に不効率な学習せっかくの学生時代を非常に無駄に過ごしているという思いが強いので、この話をちょっとしておきたいと思います。

授業形態の4象限

4象限に置いてみるといろんなことが見えてきます。

一つは、「オフライン/オンライン」ですね。

コロナがあるまでは日本の大学教員は、オンラインなんてことを一切考えてこなかった。

私、実はもう2006年ぐらいからです。それこそはてなブログを始めたときです。授業ブログっていうのを作りました。ウェブ2.0になったということで、学生とのやりとりが双方向ができるということで、すべての授業についてブログを作って、そこで教材のやりとりから学生のコミュニケーションまで、いろんなことをやれるようにしたんです。ただ当時、学生がどこまで使ってくれたかは別ですけれども、一部使ってくれた学生はいたわけですね。

技術革新の成果を活かさない日本の大学

それはさておき、双方向で、つまりオンラインで双方向でやれるしかもオンデマンドっていうのはコンテンツですね。動画から音声からいろんなコンテンツをオンデマンドに置けるようになったっていう、ここ重要なんですね。その前提がかつてはなかったわけです。講義室と本しかなかったわけです。板書、黒板しかなかった。だから、仕方なく従来型の対面授業でやってきた

ところが今は技術革新の成果で、時間と空間をともにしなくても、黒板を使わなくても、紙の本を使わなくても、教育はできるわけです。ところがそれを活用せずに依然として、黒板と、それからせいぜいパワーポイントを使うぐらいですよね。黒板と本を使ってやってるわけです。旧態依然とした教育をやってるわけです。

4象限の話になりますが、この軸は「オンラインとオフライン」それから「ライブとオンデマンド」のふたつになります。

授業形態の4象限から見えてくるもの

この2つの軸を置くと何が見えてくるかっていうと、実はライブのオンラインっていうのもあるってことなんですね。それからオンデマンドのオフラインもあるっていうことなんですね。これが見えてくる。

① 授業形態の4象限 ©︎2024 TAKAHASHI HAJIME

オフラインのオンデマンドからいくと、実は、オフィスアワーっていうのが十数年前から日本の大学でも導入され始めたんです。欧米ではもうとっくの昔にやってたことが、日本でもオフィスアワーを設けようと。これは業務効率化でもあるし、学生対応の問題も含めてオフィスアワーの導入ってことが言われたわけです。この時間はオフィスアワーですと。

だから大学の先生みんなにオフィスアワーを設定してくださいって教務課がお願いするわけですよね。そんなのやんなきゃいけないのと、授業だけじゃダメなのっていう先生もいるわけですけれども、渋々オフィスアワーを設定する。設定したはいいけど、学生誰も来ないんだけどって文句を言いに行く教員もいたりするぐらいなんですよね。もう活用する気がない。

日本の学生が自学自習の意欲に欠けるのはなぜか

学生もわざわざ、授業時間ですらもう面倒くさくて行ってる人も多いので、そうするとオフィスアワーでなんでわざわざまた教員に会いに行かなきゃいけないんだって話になっちゃって、あんまり活用されてないわけですよね。これは要するに、学生が自学自習、学習意欲に燃えて学習してるわけじゃないわけです。社会人学生とか入ってくると社会人の人はね、もうせっせとオフィスアワー来るんですね。もうこれでもかってぐらい来るわけです。ちょっと勘弁してくれと思うぐらい来るわけですよね。学習意欲に燃えてるわけです。そんな形なわけです。

ここには非常に重大な問題があるんですね。学生が意欲を持って学ぶ存在になっていない従来型の対面授業ではね。大学の講義はもう終わってるわけですね。そういう意味ではね。だからオフィスアワーも活用されないわけですね。そんな話。

オンライン下でもライブにこだわり続けた日本の大学教員

それからもう一個、面白かったのが、コロナ禍でオンラインを余儀なくされたときに教員の大多数がライブ型でやりたがったんですよね。ライブ型で。オンデマンドでやってくれって言ってんのにライブ型でやりたがるわけです。ライブ型は無理なんですよ。講義が集中する時間にインフラがそんな整ってない中でみんなが集中するから、いわゆるデータダイエットをやってくださいと。だからオンデマンド型でお願いしますって言うんだけど、みんなライブ型でやりたがるわけね。

これはできれば対面でやりたいんだけれどもしょうがないからオンラインでやってるだからライブ型になるってことなんですよね。

何をライブ型でやってるかっていうと、自分が板書しながら喋ってる風景を動画でライブで流してそれを見ろって言うんですよ。もう勘弁してくれと思いましたけれども。そういうバカなことを、オンラインの特性を全く活かさない。つまり空間だけは別に、いわゆるソーシャルディスタンスで、空間だけは別にするけど時間は共有したい。しかも俺が板書して喋ってる姿を見ろと。これがライブ型のオンライン授業ですね。全く意味がない。

オンデマンド型のオンライン授業こそ全面展開すべき

私が言うのは、オンデマンド型オンライン授業が最も効果的であるし、学生にとってもメリットが多い。しかも教員にとっても実はメリットが非常に大きいということですね。

教育効率を最大化しようとし、学生の自学実習、自ら学ぶ存在になるってことを促進する上ではオンデマンド型オンライン授業を全面展開すべきだと。日本の講義室でやってる全ての科目は全部オンデマンド型オンライン授業でやるべきだっていう風に私は思ってまして。そういう記事をnoteでも書いてるんですけど、大学教員の多くはそれに関心を持たないもしくは全くわかっていないということで、最近でもようやくそのことをわかってくれる人が出てきたのでとてもうれしいですけれども、これはもうくどいぐらいに言い続けていこうと思います。

オンデマンド型オンライン授業に対応できない日本の大学は本当に滅んでいくと、絶滅危惧種だという風に私は思ってますので。

従来型の対面授業は第3象限に位置づくごく限られた形態にすぎない

いい例がZEN大学ですね。知ってますかね。ドワンゴが始めたZEN大学。N高とかがもう完全に成功例で。ZEN大学ってもうすぐできるわけですよね。これはもう席巻しますね。ZEN大学があれば他の大学いらないぐらいになるんじゃないかと思いますが、この話はさらに展開したいと思いますけども。

いわゆる授業形態っていうのは、オンライン・オフライン、オンデマンド・ライブで4象限で分けて考えると、従来型の対面授業っていうのは、第3象限に位置づくごく限られた形態であり、第4象限にあるオフィスアワーとかは十分に活用されていない

しかもコロナで展開されたライブ型のオンライン授業もほぼ姿を消しオンデマンド型オンライン授業をやってる人もほぼいなくなってしまったというのが今の日本の大学教育の現状なんですね。

これはもう深刻かつ重大な問題だと思ってるということです。この話はまだまだ続きます。特に、このオンデマンドオンラインのメリットですね。これについてちょっと語ってこうかなというふうに思ってます。日本のすべての大学教員がオンデマンドオンラインをやり始める日までこのシリーズは続きます。

ということで、番外編みたいな体験的大学論ですが、ここまでにしたいと思います。

ではまた。


その2に続く。


「オンデマンド教育が日本の私学を救う」シリーズ 好評連載中!

すっかりコロナ前に戻ってしまった日本の大学教育。旧態依然と対面にこだわり続ける日本の大学に未来はない。日本の大学はコロナ禍でいったいなにを学んだのか。オンライン化とオンデマンド化こそが日本の私学の危機を救う。オンデマンド化のメリットは教育効果の向上だけではない。それは私学の経営を抜本的に改善する。オンデマンド化を戦略的に推進できる私学だけが生き残る。時空から解放されたキャンパスは大学で教え学ぶすべての者たちを自由にする。

オンデマンド教育は日本の私学を救う。オンデマンド教育が日本の私学の未来を作る。オンデマンド教育の全面展開抜きに日本の大学の未来はなく、日本の私学の未来もない。オンラインのオンデマンド教育が日本の私学を救う。オンデマンド教育の利点は、時間からの解放、空間からの解放、効率的な学習にある。いまだライブやオフラインにこだわり続ける日本の大学教育に明るい未来はない。インターネットとデジタル技術の進化によるオンデマンド革命が進行中であり、オンライン化とオンデマンド化はメリットしかない。日本の大学は、最新の技術革新の恩恵を活かしたオンライン・オンデマンド教育を全面展開すべきである。

大学の教員の多くはオンデマンド・オンライン教育に対して理解が低く、人的な要因がオンデマンド・オンライン教育の普及を阻んでいる。オンデマンド・オンライン教育の導入は、大学経営の効率化と人件費の削減にも貢献しする。オンデマンド教育を活用することで、教育の充実と人材の充実を図ることができる。オンライン・オンデマンド教育は、教育経費や管理経費を節約し、教育を維持しつつ予算を削減することを可能にする。

オンデマンド教育は日本の私学を救うかもしれません。オンラインやオンデマンドを教育の基盤とするべきだという主張があります。オンデマンドは教員の時間資源や知的資源を効果的に活用できます。学校教育をオンデマンド化することで、オフラインのオンデマンドを拡充することが、日本の私学を救う可能性があるかもしれません。また、オンラインオンデマンドのメリットは、対面での質問よりも、一対一のコミュニケーションが取りやすいということも示されています。

深堀ライブの33個目です。今回は、オンデマンド教育が日本の私学を救うことについて話しています。オンデマンド教育の効果や教員資源の有効活用についても言及しています。私学のオンデマンド教育が日本を救うとされており、固定された時間割や教室の制約から解放されることで、学生たちが自由に学べるようになります。大学は自由な学びの場を提供するべきだと考えられています。日本の私学を救うためには、大学教育を自由で魅力的なものにする必要があり、オンデマンド教育の活用が重要だと言われています。

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