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ビートルズ "In My Life"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 112回目、今日の楽曲は...

アルバム RUBBER SOUL B面 4曲目 "In My Life"

サウンド:★★★
メロディ:★★★☆
リズム :★★
アレンジ:★★★
第一印象:★★★
スルメ度:★★★
独創性 :★★★
演奏性 :★★★★☆

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

ビートルズの楽曲の中でも、比較的よく知られた曲であり、いわゆる「名曲」と言うのにふさわしい曲かと思う。確かに、親しみのあるメロディ、美しいコーラス、そして魅惑的なピアノ・ソロ。どれをとっても一級品なことには間違いない。

演奏は極めてシンプルで、基本的にアンプに通した J-160E とストラト、ベース、ドラムの構成。これにタンバリンと間奏のピアノが加わる。ギターはとてもまろやかな音色で、ゆったりとしたドラムのリズムと相まって、この曲のやさしさがかもし出されているような気がする。ベースもひかえめな音色で、ほぼルート音を淡々と弾いている。

一方、ドラムのスネアが、「カン!」という感じで、けっこうタイトな音色になっている。音数が少ないので、あえてそのような音にしたのだろうか。Aメロ "There are places I'll remember..." からのハイハットも特徴的で、Anna で叩いたようなちょっと不思議なリズム・パターン。それが Bメロ "All these places had their..." からは、ライドシンバルが登場する。しかも、ベルカップの音色で 8ビートを刻むという、地味ではあるが Aメロとの対比を鮮明に打ち出しているのが心憎い。

特筆すべきは、コーラス・ワークと間奏のピアノ・ソロだろう。Aメロでは、最初はポールによるハモリがつき、"All my life though some have changed" ではジョージも加わり、Uhh.. のコーラス。Bメロからも 3声コーラスが入るなど、とにかくコーラス・ワークが美しい。そしてジョージ・マーティンによるピアノ・ソロも秀逸。文献によるとテープ速度を半分に落として録音したという。再生すると倍の速さになり、オクターブ上がって音色も変わる。これが、コピー・バンド泣かせの要因でもあるが...。

キーは Aメジャー。コード進行も Aメロでは A→E→F#m→A7→D→Dm→A とごく普通。D からのバック・コーラスが、半音降下のクリシェを描くのが光っている。Bメロからは F#m→D→G→A→F#m→B→Dm7 となっていて、ノンダイアトニック・コードの G と B が、ちょっとしたアクセントをつけている。

エンディングが、またオシャレ。ファルセットで "In my life..." とブレークしたあと、"I love you more" と締めくくり、イントロと同じようなギター・フレーズを奏でて幕が閉じる。フェード・アウトで終わる曲が多い中で、このようにきちんとエンディングを付けて終わるという姿勢には、好感が持てる。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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