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ビートルズ "Here Comes The Sun"、私が感じ取った曲の印象
ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。
第 19回目、今日の楽曲は...
アルバム ABBEY ROAD B面 1曲目 "Here Comes The Sun"
サウンド:★★★★☆
メロディ:★★★★★
リズム :★★★★
アレンジ:★★★★
第一印象:★★★★☆
スルメ度:★★★☆
独創性 :★★★☆
演奏性 :★★★★☆
<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>
ジョージの曲。重い曲(I Want You (She's So Heavy))の次は、なんとも軽快でさわやかなアコースティック・ギターのイントロである。前の曲のエンディングにハラハラした後に、このようなサウンドを聞くとやっぱりホッとしてしまう。このアコースティックなサウンドは、曲の全編にわたってかなりフィーチャーされており、タイトル通り太陽がサンサンと輝くような透明感あふれる雰囲気をかもし出している。
キーは Aメジャーであるが、サビの"Sun sun sun here it comes"で、E→C→G→Dというコード進行が登場し、ダイアトニック系のメロ部分とは異彩を放っている。そしてこの部分で注目すべきサウンドは、モーグ・シンセサイザーである。同じフレーズを4回くり返しているにすぎないのだが、次第にオクターブが上がっていきクリアなサウンドに変化している。このように、電子音とアコースティックとの融合が美しい作品である。
間奏部分には、ハンドクラップが入っており、これがなかなかリズミカルで心地よい。ハンドクラップは、初期のビートルズの曲でも多用しているため、何気にそのころの楽しげなレコーディング風景が浮かんでくるようである。バックで鳴っているオルガンのような音("ヒョ~"という音)は、文献によるとハーモニウムとのことであるが、若干音程がふらついているように聞こえる。
ドラムは、基本的な 8ビートのパターン。そして、キックがポールのベースにシンクロしていて安心して聴けるリズム隊である。ときおり入るタム回しのフィルインが、16分音符のベタなフレーズで、なんとなくいまひとつな感じがする。がしかし、このタムのフィルインに聴きなれてしまうと、このフレーズでないと Here Comes The Sun っぽくなくなってしまうのである。これがリンゴのすごいところである。
なにはともあれ、Something と並ぶジョージの名曲中の名曲である。
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