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ビートルズ "If I Needed Someone"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 114回目、今日の楽曲は...

アルバム RUBBER SOUL B面 6曲目 "If I Needed Someone"

サウンド:★★
メロディ:★★
リズム :★★
アレンジ:★★
第一印象:★★
スルメ度:★☆
独創性 :★★
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

ジョージの作品。イントロから入るきらびやかなギターは、ジョージお得意の12弦ギターによるもの。ボーカル・ラインを模したギター・リフが美しい。その後、ドラムとベースが入り、ジョージのメイン・ボーカルが始まる。このストレート感がよい。

ボーカル・ラインは、裏拍が強調されたメロディとなっており、ジョージのソング・ライティングにおける大きな特徴となっている。このシンコペートされたメロディ・ラインは、後に制作される Tax Man や Here Comes The Sun などにもみられる。

演奏面は比較的シンプルで、ジョージのギターに加え、ジョンのギター、ベース、ドラム、そしてタンバリンという構成。ギター・ソロもなく、リズムもオーソドックスな 8ビートで特に複雑なことはしていない。唯一、タンバリンが目立っていて、ギターリフと相まって曲全体を明るい感じにしているような印象を受ける。

それに対比するかのように、コーラスがけっこうブ厚い。Aメロ最後の "If I Needed Someone" と歌うところでジョンとポールが加わり、いきなり 3部コーラスとなる。しかも、2コーラス目の Aメロ "If I had some more time..." では、最初から 3部コーラスとなっていて、その重厚感が極まりない。ほとんどの音が裏拍なので、重厚感がありながらも前ノリ感覚というか、スピード感も出ていてちょっと不思議な感じがする。

キーは Aメジャー。Aメロ"If I needed someone to love..." では A→G→Aという進行で、Gが特徴的な響きをかもし出している。サビ "Had you come some other day..." からはマイナー・コードとなり、Em→F#7→Bm→Em という動きで Aメロとはガラっと雰囲気が変わる。

文献によると、ビートルズの公式ライブの中で演奏された曲のうち、ジョージのオリジナル曲はこの If I Needed Someone だけだったという。1966年の日本武道館公演でも演奏され、この曲をもってジョージは、レノン=マッカートニーと肩を並べるコンポーザーになりえることができた出世作といえよう。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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