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ビートルズ "Act Naturally"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 123回目、今日の楽曲は...

アルバム HELP! B面 1曲目 "Act Naturally"

サウンド:★☆
メロディ:★☆
リズム :★☆
アレンジ:★
第一印象:★☆
スルメ度:★
独創性 :★
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

リンゴがメイン・ボーカルをとる軽快なカントリー・ウエスタン調のポップス。ただ、オリジナル曲ではなく、もともとはジョニー・ラッセル=ヴォニ・モリソンのカバー曲。リンゴはカントリー・ウエスタンが好きなのは有名な話であるが、まさにピッタリとその「役」にはまった感じの曲かと思う。

曲調は極めてシンプルで、編成もギター 2本とベース、ドラムぐらいか。ドラムは始終シャッフルの基本形を叩いているが、スネアのリムを叩いてリズムを刻んでいる音もオーバーダブされており、これは他の曲ではみられないパターンである。陽気な曲調によく似あうリズムかと思う。

エレクトリック・ギターは、イントロと間奏、オブリガードを弾いているが、まろやかな音色でこれまたシンプルにまとめている。イントロのフレーズをオクターブ下げて、それをそのまま間奏で弾いているという、ある意味「手抜き」が潔くて、ビートルズでもこういうアレンジをするんだなと妙に感心してしまう。

キーは Gメジャー。Aメロ "They're gonna put me in the movies..." のコードは、G→C→G→D7→G→C→D7→G とまるでギターの教則本に出てきそうな定番進行。サビ "Well I bet you I'm gonna be a..." からも D→G→D→G→D→G→A→D7 というシンプルさ。しいて言えば、コードA がドッペル・ドミナントでやや特徴的か。

総じて、目立たぬ地味な曲の印象ではある。文献によると、エンジニアのノーマン・スミスが書いた楽曲の録音を行う予定であったが、アルバム HELP! にリンゴのボーカル曲が含まれていないことが発覚し、急遽このカバー曲を用意したとのこと。そもそも映画 HELP! ではリンゴが主役級であったし、4人そろってビートルズなので、やはりリンゴのボーカル曲が収録されていないとなると寂しいものがある。それにしてもこの映画の邦題が「ヘルプ! 4人はアイドル」とはなんともはや...。まぁ、そのころはアイドルだったことは間違いないと思うけどね。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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