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ビートルズ "What You're Doing"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 142回目、今日の楽曲は...

アルバム BEATLES FOR SALE B面 6曲目 "What You're Doing"

サウンド:★☆
メロディ:★★
リズム :★☆
アレンジ:★★☆
第一印象:★★
スルメ度:★☆
独創性 :★★
演奏性 :★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

4小節のドラムのイントロで始まるという、彼等の音楽にしては珍しいパターン。しかも、バスドラムの残響が妙に大きく、その反面、スネアの音が極めてタイトとなっていて、ドラムのサウンド・メイキングにも何か主張があるようである。文献によると、このバスドラムの音にはティンパニがオーバー・ダブされていたとか、そもそもバスドラムではなく、フロアタムを叩いているという説もある。そのあと、ベースと12弦ギターのリフが入り、ボーカル・インへと続く。

この曲はポールの作品ということもあり、メイン・ボーカルはポールがとっているが、ボーカル・フレーズの節々で、"Look" とか "I'm" の部分だけジョンのシャウト・ボイスが入っているのが面白い。そのあとには、定番のロング・トーン Ooo コーラスを美しくキメている。ところで、2コーラス目の "You" のところで、ジョンは "I'm" と叫んでいるように聞こえるが、これはわざとなのかミステイクなのか...。

間奏からピアノが入るが、このサウンドが絶妙。単純なコード・ワークではなく、コードではあるが音を細かく刻むトリルのような奏法を用いている。この間、ギターがロング・トーンでソロを弾いているが、その音の隙間に入り込むかのような、ピアノの音が非常の効果的かと思う。

キーは、Dメジャー。Aメロ "Look what you're doing..." からは、D→G→D→G→Bm→G→D→G といった感じでシンプル。サビ "I've been waiting here for you..." では G→Bm→G→Bm→E→A という進行で、コードE と A が斬新な響きをかもし出している。

エンディングがまた地味に凝っている。イントロと同じドラム・パターンが再登場し、このままフェード・アウト等で終わるのかと思いきや、なんと思い出したようにベースが入り、ピアノが入り、12弦ギター・リフが入ってくるのである。どう結末をつけるのかと固唾をのんで聴いていると、これがそのままフェード・アウトしやがる。何なんだこのエンディングは(笑)。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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