ビートルズ "You Like Me Too Much"、私が感じ取った曲の印象
ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。
第 125回目、今日の楽曲は...
アルバム HELP! B面 3曲目 "You Like Me Too Much"
サウンド:★★
メロディ:★☆
リズム :★
アレンジ:★★☆
第一印象:★★
スルメ度:★☆
独創性 :★☆
演奏性 :★★★★☆
<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>
ピアノによるラグタイム風のイントロが、なかなか渋い。しかもトレモロが強烈に入ったエレピが、なんとも不思議な雰囲気をかもし出している。これがジョージの作品というのが、ちょっと信じがたい感じではある。イントロは、本編とは独立したフレーズで、軽いブレークのあとおもむろにジョージのリード・ボーカルが始まる。
演奏は、ピアノとアコースティック・ギターでコードをひたすら弾いている。ベースは、ルートと5度を行ったり来たりのお気軽定番フレーズ。それに反してドラムが意外としんどそう。ハイハットで、律儀にシャッフルのパターンを刻んでいるのだが、テンポがそこそこ速いのでリズム・キープがけっこうたいへんかと思う。それゆえか、フィルインが少なく単調なリズムとなっている。
聴きどころは、ボーカルのジョージには申し訳ないが、しいて言えば間奏部分か。ギターのピアノの掛け合いとなっているが、ギターが下降フレーズを弾いたあとはピアノは上昇フレーズを、ギターが上昇フレーズを弾いたあとはピアノは下降フレーズを弾いている。さりげないアレンジではあるが、こういったところに地味に気を使っているところがビートルズらしい。
キーは Gメジャー。イントロのコードは、G→Bb/G→D7(+9)→G と、なかなかジャジー。Aメロ "Though you're gone away this morning..." からは、Am→CM7→G7→Am7→CM7→G7→Bm7→D7→G7→C→D と、わりと普通。ただ、どうもテンション・コードを多用しているようで、複雑な響きに聞こえる。これはポールのアイディアなのかな? サビ "I really do and it's nice..." からは、Em7→A→Bm→A→Em7→A→D7 といった感じで、コードA がちょっとしたスパイス感を出している。
エンディングがいまひとつかな。イントロの続きのようなラグタイム風のピアノが登場するが、これもとってつけたようなフレーズで、なんか中途半端な感じがする。これもジョージの個性かといえばそうなのかもしれないが...。それはさておき、このアルバムで初めてジョージの曲が 2曲収録されたことは、喜ばしいことである。
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