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ビートルズ "Tell Me What You See"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 126回目、今日の楽曲は...

アルバム HELP! B面 4曲目 "Tell Me What You See"

サウンド:★★☆
メロディ:★☆
リズム :★☆
アレンジ:★★
第一印象:★★
スルメ度:★☆
独創性 :★★☆
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

ポールの作品ではあるが、なんとなくジョージっぽさが見え隠れしている感じがする。歌いだしのボーカル・ラインが、いきなりシンコペーションの連続なので、そんな印象があるのかもしれない。正直、あまりパッとしない曲ではあるが、リズム楽器の使い方では新しさが垣間見れる作品でもある。

そのリズムだが、基本はドラムセットで静かに 8ビートを叩いている。しかし、それ以上に目立っているのが、タンバリン、クラベス、そしてギロである。特に、クラベスのリズムが毎小節の 3拍目の裏に入っていて、地味に斬新。Aメロ "If you let me take your..." では、スネアの音はほとんど聞こえず、その代わりにタンバリンがその役割を果たしている。

そして、1コーラスが終わったあとのブレイク後のドラムの音が、なんか凄いことになっている。キックとスネアを思いっきり叩き、ここぞとばかりの大音響。完全にピーク・オーバーで歪んでいるのではないか。普通だったら NG レベルかと思いきや、そんなことはお構いなくしれっと採用するのがビートルズなのだ。

演奏的には特に難しいことはしていなく、ひたすら軽いコード・ワークのエレクトリック・ギター、ルートと5度を行ったり来たりのベース、間奏でさく裂するエレピぐらいか。強いて言えば、サビ "Tell me what you see..." の部分の 3部コーラスが特徴的。ここのコードは G9 になっており、低い方から A(9th), D(5th), F(7th)である。

キーは、Gメジャー。Aメロからのコードは、G→C→D→G→C の繰り返し、サビからは G9→C→G→D7→G となっており、超シンプル。フレーズの構成も、Aメロ 16小節とサビと間奏の 8小節の 2パターンしかなく、このセットを 3回繰り返して終わり。ただ、一番最後のサビが、スキャットによるコーラスになっているところが渋い。普通は、今までの流れから曲タイトルの "Tell me what you see" と歌って締めるのだが、普通で終わらないところがビートルズなのである。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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