ビートルズ "Magical Mystery Tour"、私が感じ取った曲の印象
ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。
第 66回目、今日の楽曲は...
アルバム MAGICAL MYSTERY TOUR A面 1曲目 "Magical Mystery Tour"
サウンド:★★★☆
メロディ:★★★
リズム :★★★
アレンジ:★★★★
第一印象:★★★☆
スルメ度:★★★
独創性 :★★★☆
演奏性 :★★★☆
<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>
同名テレビ映画のタイトル・チューン。この映画には賛否両論あるようだが、映画についてはここではコメントしない。
イントロのファンファーレ風のブラスに続き、ポールのナレーションが入る。そして、いきなりコーラスでのボーカルが始まり、何か楽しそうがことが起きそうな予感をさせられる。この間、ドラムはキックとスネアによるリズムを淡々と刻み、シンプルでありながらスピード感を出している。加えて、コーラスに絡むように、オブリガード・ライン "And that's an invitation" が入るところなど、なかなかカッコいいアレンジがされている。
なにかとガチャガチャうるさい曲ではあるが、特筆すべきはやはりブラス・アレンジであろう。ブラス・サウンドがいたるところで非常に効果的に使用されている。特にサビ "... waiting to take you away" からは 16分音符でブラスが入っており、思わず聞き入ってしまう。さらに、最後のサビの部分 "The magical mystery tour..." からは 3拍子になるが、なんとブラスだけ付点 4分音符、つまり 2拍子系で演奏されており一種のポリリズムを構成している。
この曲では、ベースもまた聞きどころである。全体的にソリッドで輪郭のクッキリとした音となっており、引き締まった感じがいい雰囲気である。特に間奏(ソロ)部分のベースは、ソリッドなトーンを活かした躍動感のあるフレーズを用い、ロングトーンで奏でられているブラスとの対比が美しい。サビのコード進行では、D→C→B→Bb→A というクリシェが見えかくれしている。
そして、エンディングではゆっくりとフェード・アウトしていくが、ここのピアノがなんとも不思議な雰囲気をかもし出している。「さぁ皆さん、いよいよマジカルなツアーが始まりますよ」と言っているような感じがする。
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