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ビートルズ "I Want You (She's So Heavy)"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 18回目、今日の楽曲は...

アルバム ABBEY ROAD A面 5曲目 "I Want You (She's So Heavy)"

サウンド:★★★☆
メロディ:★★★☆
リズム :★★★
アレンジ:★★★★
第一印象:★★
スルメ度:★★★☆
独創性 :★★★
演奏性 :★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

曲タイトル通り「重い」曲である。かなりブルース色の強い音の使い方になっており、今までにないフレーズやサウンドがたくさん登場する。コード進行もけっこう複雑である。イントロは6/8拍子で、Dm→E7(-9)→Bb7→Aaugという進行であり、これはエンディングで延々と続くフレーズも同じコード進行である。

メロに入ると拍子は4/4になるが、ときおり2/4拍子が入るなど、複雑さをいっそう増している。サウンドではオルガンがなかなか効果的に使われている。特にメロの後の E7(-9) を連打するところや、その後のオルガンソロが非常にブルージーである。ポールのベースも、高音域を自在にあやつる魅力的なフレーズが随所に登場する。特に、エンディングでのベースフレーズは、遊びまくっているような気がする。

曲の中ほど、"heavy..., heavy, heavy, heavy..." とコーラスをとるところで、音が次第に重なって高くなっていき、最後の "heavy"の後半で 3声ともいっせいに半音下がる。コード進行は、Dm7→E7 かと思うが、ここのコーラスワークがめちゃくちゃカッコいい。歌詞は、ほとんど同じ文句を繰り返し言っているだけで、あまり意味は無いように思える。

曲の最後のほうで、ジェット機のような「ゴー」という音が入る。これはジョージが弾くモーグ・シンセサイザーのホワイトノイズで作られた音で、なんとも「重い」雰囲気を醸し出している。シンセでこのような擬音を作ってレコーディングするというのは、ビートルズとしては珍しいと思う。

そして、曲の終わりでプツンといきなり切れているのは、けっこう衝撃的である。初めて聴いたときは、レコードプレーヤが壊れたかと思った。今でもたまにこの曲を聴くと、エンディングのループがけっこう進んだ時点で、そろそろ終わるかな..と思いつつ、妙にハラハラするのである。それにしても、この終わり方はあまりにも唐突すぎて、どういう意図なのか皆目見当がつかない。一説によるとポール死亡説を裏付けるものらしいが、これはちょっと冗談がきつすぎやしないか。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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