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ビートルズ "Another Girl"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 120回目、今日の楽曲は...

アルバム HELP! A面 5曲目 "Another Girl"

サウンド:★★
メロディ:★☆
リズム :★★
アレンジ:★★☆
第一印象:★★
スルメ度:★
独創性 :★★
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

いきなり、ポールのボーカルから入る。流れるようなアコースティック・ギターのサウンドが軽やかな、フォーク・ロック調のナンバーである。メイン・ボーカルはポールだが、曲タイトルの "Another girl" と歌うところで、珍しくジョンが高い音のハーモニーでコーラスをつけている。この声がジョン独特のちょっと尖った感じがして、心に残るような響きである。

リンゴは、トップ・シンバルをシャッフルぎみに刻んでいる。このシンバル・レガートが、アコーステック・ギターの柔らかなコード・ストロークと相まって、曲全体的にフワフワ感が漂っている。それに対するように、エレクトリック・ギターの短いカウンター・フレーズが断続的に入り、このブルージー感がこの曲にちょっとしたスパイスを与えている感じがする。

演奏形態としてはごく普通。得意のタンバリンも出てこないし、間奏のギター・ソロもない。ベースも基本 2分音符の 5度進行で、派手さは皆無。ドラムのフィルインもなく、ある意味特徴がなさ過ぎて、つかみどころのない曲のイメージさえある。それゆえか、ライブでは演奏されることのなかった曲のひとつである。

キーは Aメジャー。Aメロ "She's sweeter than..." からは、A→G→A→D→A→G→A→D→E という進行で、ドライアドのオンパレードではあり、一見単調そうに見てえコード Gがやや特徴的。サビ "Another girl who will..." からは、C6→G→C6→G→C6→E7→A となっており、Cメジャーに転調している。この転調により雰囲気が変わり、Aメロとの対比が鮮明になっていると思う。サビの最後の 3小節で、内声が A→B→C# と動いて Aメジャーに戻るところが、聴きどころである。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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