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ビートルズ "All You Need Is Love"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 35回目、今日の楽曲は...

アルバム YELLOW SUBMARINE A面 6曲目 "All You Need Is Love"

サウンド:★★☆
メロディ:★★☆
リズム :★★
アレンジ:★★★
第一印象:★★☆
スルメ度:★★
独創性 :★★☆
演奏性 :★★★★☆

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

史上初の衛星生中継テレビ番組 "Our World" にて公開生収録された、ある意味かなり「ぶっとんだ」曲である。とはいえ、当日はあらかじめ用意されていたベーシック・トラックに合わせる形で演奏・録音され、後日もオーバーダブが行われている。

フランス国歌のイントロで始まるブラスサウンドと、スネアロールが印象的である。途中からビオラの音が入り、そのフレーズをつなぎつつメロにはいるところなどは、最初の聴きどころではないだろうか。拍子は基本 4拍子であるが、ときどき 3拍子がはいるのでちょっとした緊張感がある。音楽的には特に特殊なことはしていないが、語りかけるようなボーカルがけっこう斬新なイメージがある。

ベースは、短い音でリズミカルに奏でていて、地味なドラムのリズムを補っている感じがする。テーマの "Love, love, love..." の部分は 3部コーラスとなっていて、ジョンが歌うメロとよくマッチしている。途中で入るジョージのギターソロは、なんとなく中途半端でぎこちない響きがして、ちょっと心もとない。曲の中盤以降は、ブラスとストリングスが多用され、サウンドに華やかで優雅な雰囲気をプラスしている。

コーラスをとっているメンバーが、すごいことになっている。文献によると、主だったところでも、ミック・ジャガー、キース・リチャード、エリック・クラプトン、マイク・マッカートニー、パティ・ハリスンなど、そうそうたる顔ぶれである。

エンディング近くなってくると、バックにいろいろな曲のフレーズが入っている。よく聴くと、グレン・ミラー楽団のイン・ザ・ムード、イングランド民謡のグリーン・スリーブス、初期のビートルズの She Loves You まで入っている。こうなってくると、もうなんでもアリの世界か。まぁ、テレビ番組のための曲なので、一種お祭り騒ぎのようなノリだったかもしれない。

なおこの曲は、アルバム MAGICAL MYSTERY TOUR においてすでに収録済なので、特に新しい曲というわけではない。

このアルバム YELLOW SUBMARINE は、一応オリジナル・アルバムではあるが、かなり異色なアルバムである。既収録曲が 2曲あり、ジョージのサイケ曲も 2曲入っていて、正直パっとしない内容かと思う。唯一、Hey Bulldog がバンドとしてのビートルズ色を出している曲である。しかも B面は、ジョージ・マーティンによるサウンドトラック、すなわちオーケストラによるインストゥルメンタルが全面にわたり収録されている。なので、B面については特にコメントはしません。

次回からは、お待ちかね、アルバム THE BEATLES (ホワイト・アルバム)です。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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