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ビートルズ "I've Just Seen A Face"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 127回目、今日の楽曲は...

アルバム HELP! B面 5曲目 "I've Just Seen A Face"

サウンド:★☆
メロディ:★★☆
リズム :★☆
アレンジ:★★
第一印象:★★★
スルメ度:★★☆
独創性 :★★☆
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

いわゆるバンド・サウンドとは一線を画す、カントリー調のアコースティック・ナンバー。アコギによる軽快なコード・ストロークが、なかなか軽快でよい。それにしても、イントロがなんかとってつけたようなフレーズで、地味に凝っている。若干の違和感を感じるものの、一旦聞きなれてしまうと、この大げさなイントロはないとちとさみしい。後日、ウイングスのライブでポールはこの曲を披露していたが、そのときはこのイントロは演奏されていない。

ギターは、アコースティックが 3本、エレクトリックが 1本使用されている。アコギ 3本のうち、1本は12弦で、文献によるとこれは間奏部分でもオーバー・ダブされているようである。アコギ 3本は、それぞれポール、ジョン、ジョージによる演奏で、3人がそろってアコギを弾くレコーディング風景は、さぞかし壮観であっただろう。

リズム系は、マラカスで 8分音符を刻み、ブラシでスネアを叩いてアクセントをつけている程度。これらはリンゴによるもので、オーバー・ダブされている。ただ、いわゆるドラムセットとしての音やベース・ギターの音は入っておらず、曲全体的に「軽い」感じがする。それゆえ、シンプルではあるがスピード感が感じられるアレンジとなっている。

ボーカルのスピード感がなかなかのもの。とにかくテンポが速く、聴いている分にはノリノリで気持ちがよい。ただしコピー・バンドでこの曲をライブで歌うのは地獄。早口で隙間なく歌う歌詞は、日本人にはかなり難しい発音かと思う。どこでブレスを入れるかでも悩むはずだ。サビ "Fallin' yes I am fallin'..." からは、高音でコーラスが入っているが、これはポール自身によるオーバー・ダブ。まさにポールの独り舞台といったところか。

キーは、Aメジャー。Aメロ "I've just seen a face I can't..." からのコード進行は、A→F#m→D→E7→A と、教則本に出てくるような超定番進行。サビからは、E→D→A→D→A とこちらも超シンプル。とにかく簡単なコードばかりなので、ライブで演奏する際は、歌い方をビシッとキメさえすれば、手軽にアコースティック・ナンバーのレパートリーとして即戦力になるナンバーかと思う。その際、ハーモニーをポール役以外の人にやってもらわなければならないが...。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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