ビートルズ "Yellow Submarine"、私が感じ取った曲の印象
ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。
第 30回目、今日の楽曲は...
アルバム YELLOW SUBMARINE A面 1曲目 "Yellow Submarine"
サウンド:★★★★☆
メロディ:★★☆
リズム :★★★
アレンジ:★★
第一印象:★★★☆
スルメ度:★☆
独創性 :★★☆
演奏性 :★★★★
<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>
イントロなしでいきなり歌いだし、しかも、リンゴがメインボーカルをとるという数少ないナンバーである。使用コードも G, D, C, Em, Am, CM7 とごく普通であり、曲の構成も Aメロとサビの組み合わせのみという、いたってシンプルな曲である。リズムはシャッフルで、その弾む感じがいかにも波に乗っているという雰囲気を醸し出している。
この曲は、ボーカル・フレーズの親しみやすさはもちろんのこと、途中から入るジョンの合いの手の、オフマイク気味な声が楽しそうな雰囲気で、なんともいえない和やかな曲調に仕立てあがっている。その一方で、コーラスも小技を利かせていて、サビ "We all live in..." の 3部コーラスにおいて、真ん中と一番下のハモリの 2音が次第に下がるところなど、地味に凝っている。
このようにシンプルでありながらも、この曲には独特の「味」があり、音楽は理論だけでなく感性があってこそ、本当によい曲ができるということを再認識させてくれると思う。
間奏では、波の音、コップに水を入れてストローでブクブクさせる音、潜水艦内の機関音や圧縮空気の音など、いろいろな効果音が入っており、聴いているだけでも場面が浮かんでくるような感じがして楽しい。そして、"And the band begins to play" の歌詞に合わせて、その直後にブラスバンドのフレーズが入るなど、遊び心満点の曲でもある。
ちなみにこの曲は、アルバム REVOLVER で既に収録されており、このアルバムのリリース時点においては特に新しい曲ではない。そもそもアルバム YELLOW SUBMARINE は、同名アニメ映画のサウンド・トラックとしての位置づけであり、一応、オリジナル・アルバムではあるが、ちょっと異色な存在である。