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ビートルズ "I'm A Loser"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 131回目、今日の楽曲は...

アルバム BEATLES FOR SALE A面 2曲目 "I'm A Loser"

サウンド:★☆
メロディ:★☆
リズム :★☆
アレンジ:★★
第一印象:★☆
スルメ度:★☆
独創性 :★★
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

いきなりフリー・テンポのボーカルで始まる。そのジョンの気張った声に乗るような感じでコーラスも入る。出だしの伴奏は、アコースティック・ギター 1本のアルペジオという、超シンプルなスタイル。その後、軽やかなギター・ストロークが入り、続いてドラムとベースも入ってくる。イントロの組み立て方として、なかなか考えられたアレンジかと思う。

曲調は、全体的にアコースティック・ギターをフィーチャーしており、ボブ・ディランに影響されて創られた曲ではないかと言われている。ボーカルのメロディ・ラインも、かなり低い音("...crossed" や "...end" の G音)まで使われているが、ジョンは非常に質量感のある声で歌っており、伴奏に紛れることはない。

間奏とエンディングでは久しぶりにハーモニカが登場し、ビートルズ初期の面影が去来するかの如くである。ハーモニカのあとには、ジョージのギターソロも入っているが、こちらはちとぎこちない感じがする。ドラムは、速いシャッフルをハイハットやライドシンバルで正確に刻んでおり、これはけっこうドラマーにとってはしんどいプレイかと思う。フィルインがほとんど入っていないことから、その緊張感が伝わってきそうである。

ベースの動きが面白い。Aメロ "Of all the love I have..." では、2分音符を基本としたわりとシンプルなフレーズを弾いているが、サビ "I'm a loser, And I lost someone..." では、4ビートを刻んでいる。このランニング・ベースがなんとも聴いていて心地よい響きである。ポールはときどき意表を突く感じで4ビートを奏でるが、この曲もそのセンスのよさがキラリと光っている。

キーは、Gメジャー。Aメロのコード進行は、G→Dsus4→Fadd9→G→Dsus4→Fadd9..." となっていて、ちょっと凝ったボイシングを使っている。サビからは、Am7→D7→Am7→D7→G→Em→Am7→FM7→D7" といった感じで、マイナーコードを多用して、Aメロとは異なる雰囲気をかもしだしている。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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