ビートルズ "Drive My Car"、私が感じ取った曲の印象
ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。
第 102回目、今日の楽曲は...
アルバム RUBBER SOUL A面 1曲目 "Drive My Car"
サウンド:★★☆
メロディ:★★
リズム :★★
アレンジ:★★★☆
第一印象:★★★
スルメ度:★★☆
独創性 :★★★
演奏性 :★★★☆
<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>
イントロのギターと、ベースの入り方がカッコいい。イントロのギターのリフは、8分休符のあとから始まっている。つまり、裏拍から入っているため、普通の感覚で拍をとっていくと、歌いだしのところで半拍ズレてしまう。ビートルズは、時々このような「ビートルズ・マジック」をしれっと潜り込ませている。
音の使い方という点で、この曲は明らかに、前作 HHELP! とは異なっており、進化の形跡が見られる。特に、Aメロ "Asked a girl what..." のボーカル・ラインは、テンション・ノートのオンパレードである。極めつけは "But you can do something in between" の3部コーラス。ここでは、A7 のコードに対して C(+9th), F(13th), G(7th) が使われている。よほどコーラスを練習しないと、このような音はなかなかとれない。
キーは Dメジャー。Aメロからのコードは、D7→G7→D7→G7→D7→G7→A7となっていて、コード進行的にはごく普通である。メジャー・セブンスを多用していて、ブルージーな感じがする。サビ "Baby, you can drive..." からは、Bm→G7→Bm→G7..." となっていて、マイナーコードを使うことで Aメロから雰囲気をガラッと変えている。
Aメロでは、ギター・リフがメインとなっており、サビ からピアノが入る。このピアノの 2拍3連のオブリガードが、なんともブラックっぽい響きをかもし出している。あと、ほぼ全般にわたり、カウベルが 4分音符を刻み、タンバリンがときおりリズムを変えながら入っているのが印象的である。
演奏自体はシンプルにまとまっており、余計なサウンドはあえて出さないというような潔さを感じる。それでいて、バランスよく聴こえるのは、それぞれのパートのアレンジがよく計算されているためかと思う。特に、ボーカル・ラインとその特殊なハーモニーが、かなり強い存在感を示していて、この曲を特徴づけるポイントとなっている。
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