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ビートルズ "Ticket To Ride"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 122回目、今日の楽曲は...

アルバム HELP! A面 7曲目 "Ticket To Ride"

サウンド:★★★
メロディ:★★☆
リズム :★★☆
アレンジ:★★
第一印象:★★★
スルメ度:★★
独創性 :★★★
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

きらびやかな12弦ギターのイントロが美しい。このギター・リフのくり返しが特徴的な曲で、I Feel Fine や Day Tripper も似たような曲作りをしている。イントロの途中からドラムとベースが入るが、このドラムの入り方が地味にテクニカルである。2小節目の 4拍目で、32分音符に近い高速フロアタムロールで、一気に曲がハイ・テンションになる。

そのあとに続くドラムのパターンもかなり特徴的で、2拍頭にスネア、3拍裏でスネア、4拍裏でタム、しかもいずれもフラム奏法となっている。両手がふさがっているので、ハイハットやライド・シンバルでの刻み系のリズムはない。変則的なリズムではあるが、タンバリンが 2拍 4拍で入っていて、しっかりとビートの骨格は作られている。

Aメロ "I think I'm going be sad" のメロディ部分では、上記のようなドラム・プレイをしているが、Bメロ "I don't know why she's..." のあとの Aメロ部分では、微妙に異なるドラム・プレイをしているのに気付く。スネアのフラムは、2拍 4拍の頭になり、タムのフラムが 4拍裏に変わっているのである。コピーバンドでこの曲を演奏する際は、リンゴ役のかたはこのポイントに要注意。

リズム以外は、特に難しいことはしていないようである。ギターのコード・ストロークもごく普通。強いて言えば、ほぼルート音のベースの音が、何気に重たく感じる。文献によると、ジョンは「Ticket To Ride はヘヴィメタルのレコードとしては最も初期のものだ」と言ったようだ。これがヘヴィメタルか?と思うのだが、重いベース音やフラムのスネアを聞くと、なるほどそうかもしれないと思ってしまう。

キーは Aメジャー。Aメロからのコードは、A→F#m→E で Aが6小節続く。そのあとの "She's got a ticket to ride..." からは "F#m→D→F#m→GM7→F#m→E→A" となって、マイナーコードで寂しげな雰囲気を出しているかの如くである。Bメロからはリズム・パターンも変わり、"D7→E→D7→E" となり、セブンス・コードがややブルージーな感じを出しているように思う。

そう言えば、歌詞の一部が英文法的に間違っている。"She don't care..." や "My baby don't care..." の "don't" は、本来は doesn'tが正しいのだが「詩」なんで許される表現だとか。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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