枯渇の余地
何に対して走り回っていたのか
いくら考えてもわからない
ただ追われていたことだけが
泥のように思考の中を渦巻く
追いかける為にエンジンをかけたのに
理不尽は私の前で微塵の容赦もない
何も口にしてないというのに
喉の渇きさえも感じない
去死十分だのメメント・モリだの
何かにつけて言うけれど
生死観について云々するのは
まだ枯渇の余地を残してる証
いずれにせよ最期には
蒼く優雅な黴を身に纏った
天日を仰ぐ本枯節のように
役目を全うするのだから
追われている場合ではない
枯渇の余地があるのならば
もっと速く、更に遠く
理不尽よりも常に前へ
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