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寅ちゃんの好きな煮っころがし

「ほら、寅ちゃんの好きな煮っころがしだよ」なんてシーンが浮かんでくる一席。

昨年は、これでもかというくらい寅さんお熱な年だった。

ネットフリックスにて男はつらいよを全話見返して、柴又にも2回行った。
愛はとめどなく溢れ出て、寅さんに想いを馳せる酒場「やけのヤンパチ食堂」を人情溢れる粋なねぇちゃん、梓さんと共に開店させた(梓さんは編集のお仕事をしていて、痺れる文章を書いているかっくぅいい女性)。

誰に言われる訳でもないが、勝手に3分ほどの啖呵売を披露できるようになった。きっと履歴書の特技欄に「バナナの叩き売り」と自信満々に書けることでしょう。

あぁ、こんな時代こそ、寅さんみたいに人情深く不器用で。それでいてチャーミングな心を忘れてくれるな!と思う次第です。

雨のしとしと降る今晩。コックリ炊いたお芋と日本酒をかっくらいながら忘れな草編でもみてしっぽりいきたいなぁ。

それでは皆様、「お芋」「醤油」「みりん」「酒」「砂糖」「あれば昆布」をご用意くださいませ。


材料/2人前くらい

●煮っころがしのたれ●
醤油:みりん:酒:砂糖
1.5(2):2:0.5:お好み
▼私の分量
醤油 2まわし(いーっち。くらいの速さ)
みりん 2まわし
酒 1まわし
砂糖 スプーン1.5

●お芋など●
じゃが芋(新じゃがなら尚よし) 両手に収まるくらい
水 芋が隠れるくらいの量
昆布 親指くらいの大きさ

作り方

1、鍋に水とお芋、昆布をいれる(ウォームアップ)

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新じゃがなら皮付きのまま、気になる方は皮をむいてお好きな大きさに切りましょう(新じゃがではないお芋はアク抜き必須)。その後お芋がかぶるくらいのお水と、昆布をいれます。

2、火にかける(じっくりいこうぜ)
お芋を炊く時のコツは焦らない。これに限ります。
強火でがっつりいくと煮崩れて、和風ポタージュが出来上がってしまうからじっくり参りましょう。弱火か中弱火でコトコト。

【芋の茹で加減】
箸をさしてみて、スッと通るけど若干の固さはあるなぁ(桃井カヲリみたいなね。夏木マリまでいくと結構とんがってて固そう)くらいがちょうどよいです。(次の工程でも火入れが続くため)

【水分量】
写真に添付したくらいがよい感じです。(水分量が少なくなってきたら追い水しましょう)。

3、煮っころがすー前夜祭(味つけ)ー

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本来なら「さしすせそ」の順番にいれなさいとかあるのでしょうが、大丈夫。調味料をいれてみて、まず味見。ここでのポイントは、ちょい薄いか、ちょうどいいくらい。煮詰めていくとどうしても味が濃くなるので、想像力を働かせましょう。

4、煮っころがすー本番ー

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さぁお待ちかね。盛大に煮っころがしわっしょいのお時間です。
ここからは、できたら落し蓋をして強火で炊きます。私は横着して適当に切ったキッチンペーパーを蓋代わりにしています。(ペーパーがオーバーランしているため、チリチリに燃えて花火大会になること有。お気をつけあれ!)。
沸騰するとブクブク、あわあわに。
この対流のお陰で、お芋に旨味のコーティングがされるので大事な工程。

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水分が飛んできたら、落とし蓋を取り鍋をゆすりながら一気に仕上げる。
干上がりすぎると焦げの原因になるので気を抜かずに参りましょう。

5、火を止め馴染ますー後夜祭ー
よく、「煮物は冷める時に味が染みるのよ」なんて言われていますがその通り。一回冷ましてあげるとうまいですね。さらに、うまい胡麻をパラリとかければ完成でございます。

以上。

今日のツボ
・芋の下茹ではじっくりいこうぜ
・芋の固さは桃井かおり(しなやかだけど芯もある)
・味付けはちょっと薄いか、ちょうどいい
・芋をあわあわの旨味でコーティング
・一旦冷ましてから食べるのが最高


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きっと、おばちゃんが寅さんにつくっていた煮っころがしは、もっと甘っ辛くて、色もううんと濃いでしょう。なんかもっとクタッとしてて、若干煮崩れもしてるだろうな、と勝手に妄想してはチビチビ呑んでおります。

「え?なにぃっ!?さくら、コロナだぁ?なにそれ食えるの?」

なんてチャーミングなことを、寅さんなら言っちゃうことでしょう。

(くっくっく。)

このざわめきが落ち着いたら、またうまい酒でも飲みながら、寅さんについて語りたいなぁ。ねぇ、ねぇさん。

お後がよろしいようで。

食べたいものをつくる人 高橋 拝。

(追記)
寅さん酒場をやった梓さんのブログはしびれちゃうので、お時間あったら拝読していただきたし!(まわしもんかっ!勝手に宣伝。)

やけのヤンパチ日焼けの茄子。
色が黒くて食いつきたいが
あたしゃ入れ歯で歯が立たないっ。

梓さんのブログ


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