翼一東日本大震災時の妻の詩(129)
春色の木々
新芽が上を向いて
「私はこれからですよ」と言っています
瑞々しく 愛らしく
この一ヶ月 どれだけ泣いた事でしょう
ずっと下を向いて歩いたような気がします
涙さえ出ない悲しみや絶望感もあることでしょう
日本中が不安と悲しみの中
桜の花は咲きました
たんぽぽの花も咲いています
逞しいなあ
それぞれを生かす理念の中で咲くのでしょうか
寒さの中で この季節に咲く準備をしていたのですね
土佐みずきが 一斉に太陽に向かって「こんにちは」と咲いています
どんな時にも
生かそうとする生命の恩恵に感謝し
身を任せきれますように
翼よ すべての人の絶望と悲しみを あの太陽まで運んでおくれ