綺麗になりたい
いつ以来だろう。久しぶりに美容雑誌を買った。
そしてふと気づく。年齢を重ねてゆくごとにそういった分野から遠ざかっていることに。
誌面をパラパラとめくるとパァーッとした華やかさが目と心に拡がった。
「嗚呼、そうだ、綺麗になりたいんだ、わたし」素直にそう思えた。
今さらかもしれない。何かの変化にトライしたところで街行く人たちが振り向くわけもないというのに、それでも綺麗になりたいと思った。
”綺麗”を目指すのは幸福を追求することに似ている気がする。
なぜなら美しい色合いのアイカラーを施しても、ルージュを引いても、優しく微笑んでいなければ彩りむなしく化粧も決して様にはならないだろうから。
だから幸せを目指して口角を上げ綺麗になりたい、私自身のために。そして・・・たいせつな人のために。