「自分が伝えたいこと」ではなく「相手が聞きたいこと」を話す
すごく大事だなというか、ここができなきゃ進む仕事も進まんなと思ったことがあったので、そのお話しを。
▼全部伝えたい社長
先日、金融機関と経営者の面談に同行した時のことです。
はじめましての場だったので、まずは事業内容を聞かれます。
少し特殊な業界なので不安だったのですが、不安を上回る状況でした。
想いの強い社長、1~10まで全てを語ってしまうのです。
相手が聞いたのは5~6辺りの部分なのですが、出自から現状までを全て語る様子。
しかも、あまり一般的でない業種なので、聞いたことのないことばが飛び出し続けます。
銀行の担当者さんはメモが追い付きません。
▼答えは何か
さすがにこれではマズイと思ったので、「ちょっと良いですか」と社長を制し、担当者さんにここまでで何かご質問はあるか聞いたところ、やはりほとんど頭に入って無かった様子。
何度か色んな確度から聞き直して頂き、ようやく事業内容を理解して頂きました。
ただ、その後もまた同じ状況が続きます。
「全国に拠点がありますが、客先の付近に設置しているんですか?」という質問がありました。
これって、答えはイエスorノーですよね?
ところが、「はい、元々はこうこうこうで、だからこうなって、まずは〇〇に支店ができ…」とまた1~10まで語りだします。
この後数回制しました。
▼事前にしておくべきこと
まずは、事前の打ち合わせですね。
一度ロープレをして頂くべきだったと思います。
わかりづらい業界だってことは知っていたので、「事業説明は小学生でもわかるようにしてください」と伝えたのですが、専門用語のオンパレードです。
「小学生が知らない言葉は使わないでください」と言った上で、事業説明で話すことを一回は聞いておくべきでした。
一応、補足ですが、事前準備しっかりやろうとしたけど相談が緊急過ぎたんです。
ハイ、いいわけです。
相談するタイミングはいつ頃が良いかと聞かれたら、「早めです、ていうか今です」と答える所以はこのあたりです。
▼相手が聞きたいことは
ただ、ぼくがどう事前に伝えたとしても、現場でスイッチが入った社長は止められません。
こればっかりは、その人の特性であり、もっと言うと能力なんだろうなと思います。
「自分が伝えたいことを話す」のか、「相手が聞きたいことを話す」のか、融資の相談に限らず、あらゆるコミュニケーションで問われますね。
伝えたいことを話すことが悪いわけじゃないですし、時には相手が聞きたいことがそれだったりする場合もあります。
なので、「相手が聞きたいことは何なのか」を見誤らないことが重要なんじゃないかなと。
そんなことが百発百中で出来たら苦労しないのですが、努力して精度を上げることはできると思うので、日々意識ですね。