『Go Home』
駅のホームに今日を終わらせたい人
その隣の人生を終わらせたい人
カバンの中には昨日の新聞紙
「今日の一面もあの政治家のことだろう」
その隣の今日を終わらせたくない人
必死に隣の人生を指でつつく
変わらぬ表情に真っ直ぐな目
次に踏み出したとき彼はどこにいるのだろう
天国も地獄も神も奇跡も本音も慰めも
全部が全部嘘だってわかったからさ
せめて最期ぐらい一人にさせてくれないかい
この自分だけが本物であることを知りたいから
今日を終わらせたい人がまた彼をつつく
薄っぺらいフィルムのような剥がれかけの言葉
汗の染み付いたネクタイ変わらない臭い
諦めきった思いを隠そうとしない
人生を終わらせたい人が繰り返した
バグまみれの機械壊れかけの言葉
聞き慣れた言葉に隣の人がうつむいた
小さな心への圧力に耐えきる頃
お世辞も地位もお金も建前も本音も慰めも
全部が嘘だってわかったからさ
せめて今日だけは休ませてくれよ
あの頃の決意が本物であることを知りたいから
迷ってるうちにお迎えが来たんだ
同じ空間に一筋の光何かを殺した
これでよかったんだ全部わかった
そんな僕だって嘘になっていたこと
涙も血も汗も言葉も言動も覚悟も
全部を嘘にしたくないからさ
せめて最初ぐらい一人にさせてくれないかい
その全てが本物であることにしてみたいから