自分でレッスンしていくことの難しさ

2018年12月、先生が旅逝く前から始めた自習は、2020年4月の緊急事態宣言以降、他のクラスに通えなくなった私にとって、唯一のバレエらしき動きをする時間だった。週に2回、ラジオ体操のように生前に受けていたアンシェヌマンをただ、繰り返すことをやってみて4年、やはりバレエを踊る魅力は、自分だけでは完結しないこと、言いえれば「人と踊ること」、そして「人に観てもらうこと」(例え先生でも)なしでは、成り立たないということを実感した。

コロナ禍で舞台のなくなったダンサー、オンラインでのレッスンを余儀なくされた生徒や先生もまた、同じように感じたことだろう。


そして、ここに書き連ねてきたことも、きちんとレッスンをできた実感があって、初めて思い出される先生の言葉であって、中途半端な自習をしていてもノートは何も語ってくれないことにも気づく。ノートから先生の声が聞こえなくなって、2カ月ほど経ち、私は久しぶりに以前通っていたY先生のもとを訪れた。


Y先生のおかげで、ふたたび私はノートを開いている。

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