#959 何かと何かを組み合わせる
仲本工事さんが亡くなったことを朝のTwitterが教えてくれる。そしてタイムラインを眺めていると松永良平さんのこんなツイートが目に留まる。
確かに仲本さんとカル・ジェイダーは似ていると初めて気づく。そしてSpotifyでカル・ジェイダーのお気に入り曲を再生。するとこの曲にたどり着く。
1968年の作品。この曲を元々知っていたわけではなくア・トライブ・コールド・クエスト(以下ATCQ)の1993年作品「ミッドナイトマロウダーズ」の冒頭ジングル曲で知る。
このジングルの元ネタだと知ったのは随分と後になってから。カル・ジェイダー自体無数にアルバムをリリースしてどれから聴いていいかわからない。小西康陽さんも、聴くべきアルバムは数枚だと仰っていた。
今朝この曲を久しぶりに聴いて、93年にこの曲を元ネタにしようとしたのは何故なんだろうと再び思いを巡らせていた。無数にあるアルバムの中から、ダイヤモンドの原石を採掘するが如くこの曲にたどり着く。 そして組み合わせる。まさに発明。
前職のボスが仕事をする上で大事にしている言葉の一つに「何かと何かを組み合わせる」があった。ボス自身がまだ若手時代に教わった言葉だそうだ。
まさにカル・ジェイダーの「アクエリアス」という曲とミッドナイトマロウダーズの冒頭のジングルを思いついた時点で素晴らしいなと改めて感じる。
ヒップホップの成り立ち自体がこの「何かと何かを組み合わせる」で成り立っているわけだが、昔の捨てられた曲を発掘して組み合わせる技術は何度聴いても素晴らしいセンスと感じる。
と、ヒップホップに例えてしまったが、これは普段の生活や仕事でも成り立つ。自分にそのようなセンスがあるかと問われれば「?」マークが付いてしまうところが悲しいが、それでも磨いていきたいところでもある。
よく考えると、数多あるヒット商品だってこの「何かと何かを組み合わせる」から成り立っているんだし、発明発見だってそう。この小さな組み合わせを自分でも開拓していきたいなと改めて感じた朝なのであった。
余談だが、ATCQのこのアルバムをメルカリに出品したら音飛びや音質が悪いとクレームが付いた。「いや、そんな音楽だから」と思った2022年の秋。