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新刊の紹介‼︎ 宇山卓栄さん監修『世界の王室 興亡史』


表紙


まえがき

TJMOOKより宇山卓栄さん監修『世界の王室 興亡史』が2023年1月11日(水)に発売されました。

杜出版代表の青木康が編集をして、圓道祥之さんと青木康が執筆協力をしました。

『ドイツの帝室』
『なぜ中南米には王国が残らなかったのか?』
『エジプトのファラオと19世紀の王室』


本書では、現存する世界の27のロイヤルファミリーを紹介するとともに歴史上で存在した世界各地の王室も紹介しています。

それぞれの国の王室の歴史から各国の国民性も解説しています。

『なぜ日本の皇位は簒奪されなかったのか?』


『なぜ日本の皇位は簒奪されなかったのか?』とトピックに興味を持ちました。

歴史上、世界では王室が変わっているのになぜ日本の皇室は万世一系なのか不思議に思う人も多いと思います。

理由として天皇が自ら政治を行わない不親政、祭祀を行う祭祀王としての役割、血統主義の伝統の3つを上げています。

アメリカでは、アメリカで生まれれば国籍を得られますが、日本では両親のどちらかが日本人でなければ日本国籍を得られない血統主義が取られています。

歌舞伎や華道などの伝統芸能でも血統主義が色濃く残っています。

日本の天皇は血統がなければ継承できず、時の権力者が天皇を廃したとしても天皇を名乗ることができません。

血統を重んじる国民性も理由の一つだと思います。

『ヨーロッパの王室が女系を認めた理由』


『ヨーロッパの王室が女系を認めた理由』というコラムも面白いです。

もともとヨーロッパでは王位継承は男系男子のみか、できるだけ男系男子というのが原則でした。

しかし、現在では多くの国で女系の君主を認めています。

そのきっかけになったのがイギリス王室でした。

1135年にヘンリー1世が崩御した際に男子継承者がいなかったため、娘のマティルダが短期間だけ女王になりました。

その後、マティルダの息子が即位したため女系君主が誕生しました。

ヨーロッパの王室では基本的に1人の后の子どものみに王位が継承され、公妾の子どもに継承権がありませんでした。

そのため、皇后に男子が生まれなかった場合、王統断絶のリスクがあったことも理由の一つです。

王室は元々合理性で語ることはできないものです。

しかし、合理的な存在ではない皇室や王室が果たしてきた役割は大きかったと思います。

世界史を勉強したい人や日本の皇室を世界の視点から学びたい人におすすめの一冊です。

目次
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【世界の王室 興亡史】
宇山卓栄監修
○出版社 宝島社
○発売日 2023年1月11日
○TJMOOK 96ページ

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