【映画レビュー】「スーパーサイズ・ミー:ホーリーチキン!」(2017年 アメリカ)〜フライドチキンは高温の油で揚げるから、その熱でカロリーがなくなってカロリー0なんだよ〜 ※2024年5月25日追記あり
【はじめに】
今回紹介するのはドキュメンタリー映画ですが、監督の偏見や脚色なども多少混じっていると思われるので、100%真実だと思わずに頭の片隅に留める程度の気持ちでご覧下さい。
【タイトル】
「スーパーサイズ・ミー:ホーリーチキン!」(2017 アメリカ 93分)
監督、脚本、主演 モーガン・スパーロック
※一部、グロテスクな映像が含まれております。
まず、この映画は「スーパーサイズ・ミー」(2004年 アメリカ)というファーストフード(以下、FF)批判ドキュメンタリー映画の約12年越しの続編となります。
前作「スーパーサイズ・ミー」では、この映画の監督であるモーガン・スパーロック氏が、アメリカという国が肥満大国になっているのは「アメリカ人はFFが大好きだからだ!」といい、その主な原因はマ◯ドナルドだと断言。
レイ・クロック※が聞いたら激怒しそうです。
※リンク先、参照。
それで彼は一ヶ月間、朝昼晩ビッグマックとシェイクのみ(他の飲み物やサイドメニューもマ○ドナルドのメニューのもの)を食べ続けたらどうなるか?という実験を自らの身体を使って開始。
アホみたいな量のビッグマックとシェイクだけを一ヶ月間、毎日食べ続けた結果……。
彼は体調を壊し、体重が増えました……。
このことから、監督はFF(マ◯ドナルド)は危険だ!食べない方が良い!!という結論に至ります。
……。
私は本気で呆れた……。
……毎日、ビッグマックだけを腹いっぱい食べ続けたら誰だって身体おかしくなるわ……。
そんな監督が12年ぶりにFF批判の映画を撮った本作。
今回の映画は、なんと監督自らがFF店をプロデュースして開店させるというドキュメンタリーになっている。
勿論、FF店を開店させるまでの苦労話をドキュメンタリーにするわけではなく、FF批判をするためにFF店を開くという郷に入って郷に従いながら批判するスタイルです。
2010年代。FF業界は謎のヘルシーブームが起きていた。
なので、低カロリーなチキンをメインにしたFF店にしようとする監督。
そのために監督は養鶏場を立ち上げ、監督自らの手で鶏さんたちのお世話をします。
何故FF批判するためだけに、ここまでやるんだ?
FF批判するためにモーガン・スパーロック監督が開いたFF店とは、果たしてどんな店なのか?
この監督がFF店を開くためにした苦労は認めますが、結局はFF批判であり、なにより前作の映画でアホ程ビッグマックを食べて体調を壊して「FFは危険」と言った監督なんで、この映画の内容をあまり間に受ける必要はないかと。
さらに、この手の批判系ドキュメントは作り手次第でどういう形にでもなるので、半分フィクションだと思った方が良いと思われます。話半分ぐらいの気持ちで。
ですが、FFに使われる鷄は品種改良されており、孵化してから三ヶ月で肥大化する鷄だと言うことと、養鶏場を運営する上での業界のルールや、いろんなFF店が近年のヘルシー志向をどう演出をしているのかは勉強になりました。
どこまで本気にすべきかわかりませんが、世の中、一筋縄ではない何かがあることだけは胸に留めておいた方が良さそうです。はい。
この監督の批判内容はともかく、机上の空論だけで物を語らず、実際に行動し、自らの体験談で批判する姿勢については尊敬します。
【2024年5月25日追記】
本作の監督であるモーガン・スパーロック氏が2024年5月23日に亡くなられました。53歳。
この場を借りて、ご冥福をお祈りします。