【映画レビュー】「ショーガール」(1995年 アメリカ ※R18指定)〜ある意味でアメリカンドリームを体現した映画〜

【タイトル】
「ショーガール」(1995年 アメリカ 128分 R18指定)
監督 ポール・バーホーベン
脚本 ジョー・エスターハス
出演 エリザベス・バークレー

※本作には暴力、性描写が含まれております。


【あらすじ】
 トップダンサーを夢見る主人公・ノエミは、その夢を叶えるべく、ラスベガスへとやってくる。
 そこでストリップダンサーとして活躍していく中、ドロドロギスギスした人間関係の深みに嵌って行く……。


【感想】
 ストリップショーをテーマにした作品なので、少々刺激の強い作品ですが、この映画、あまりにもアレすぎて、当時のゴールデンラズベリー賞(毎年行われている、その年の最低映画を決める賞)を多く受賞した問題作です……。

 どのぐらい凄いかと言うと、公開当時の1995年ゴールデンラズベリー賞にて13部門ノミネート、最低作品賞、最低監督賞、最低脚本賞、最低主演女優賞、最低新人俳優賞、最低主題歌賞、最低スクリーンカップル賞……と、記録的にありがたくない賞ばかり受賞。
 ある意味で伝説の映画です。
 興行収入も最悪で、今で言う「大爆死」をしました。

 また、いろんなコメディ映画で「この世で最も怖い映画は、ショーガール」というジョークが出てくるほど、この映画のアレっぷりが伝説となり、一部界隈ではカルト人気が出ています。


 さて、そんな問題作の「ショーガール」。実際に観てみると、大まかなストーリーは、無一文だった主人公が努力を重ね、徐々にストリップダンサーとしてラスベガスの大舞台に立つまでに成長していくというスポ根ドラマになっています。
 煌びやかで豪華絢爛なステージでの大迫力のダンスシーンは、なかなかに見ごたえがあり。

 ですがー……。それ以上に人間関係などが生臭く描かれており、観ていて頭を抱えてしまうことも……。
 いろんな情報が渋滞しており、登場人物の感情の変化がちょっとわかりません。
 数分で言ってること、やってることが変わり、感情移入が不可。
 登場人物全員がヒステリーばかり起こし、もはやホラー映画の領域。

 また、主人公・ノエミも悪い意味でのおバカなので、あまり魅力を感じません……。
 これでは、ただの生臭いアメリカンドリームです……。
 確かに、当時ラズベリー賞を多く受賞したのも頷けてしまう……。

 ですが、ラストはカラっと終わっており、謎の爽快感。

 ストリップダンサーのスポ根ドラマでありながら、いろんな要因がぶつかりあい、ラズベリー賞を多く受賞にした映画ではありますが、そう言ったレッテルを外し、違った角度で観てみれば、割と楽しめる映画ではないしょうか?

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