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ボクの朝飯を紹介します

 韓国映画のタイトルっぽく。当時日本で韓国エンタメが流行していたのかどうかは知らないが、ボクにとっては「猟奇的な彼女」が初めて観た韓国映画だ。その後ずっと縁がなくて、その次に観たのが同じ監督、主演女優の「僕の彼女を紹介します」だった。ネタバレはすでにいろいろとされているので問題ないと思うので言うと、ストーリ展開は途中からなんだか変な方向に一瞬行くが、最後の最後に来る駅のシーンはきっと映画館もどよめいただろうなと思う。

 そんなことはどうでもよく。

 日本人が増えたタイだが、タイ人と国際結婚をする人はいまだ少ない。これだけ日本人がいると、日本人同士でカップルになるケースが多く。だから、意外と日タイ国際結婚の深い部分を知っている人は少なかったりする。離婚率も高くて、知る前に終わってしまうケースもよくあるし。

 ボクは今現在で結婚して14年くらい。ボクの家庭が平均的というわけではないが、ふとボクがいつも朝食べているものを振り返ってみたらおもしろいかなと思った。タイ人と長く生活している人もそんなにいないから。当然ながらタイ人と暮らすと朝食からタイ料理なわけで、タイ以外に住んでいるタイ料理好きからしたらうらやましい話ではないかなと。

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 バンコクだと自炊より屋台などでできあいのものを買うことは多い。特に朝は時間がないので、自宅で食べるよりは職場や学校の近くで食べる人が多いのではないか。車通勤だと渋滞がひどく、たとえば朝5分だけ家を出るのが遅いと、職場到着が30分、ときには1時間も遅れることだってあるのがバンコクだからだ。いずれにしても、世帯人数が少ないと自炊よりもできあいのものを買ってきた方がずっと安く済む。

 うちの場合は子どもたちは学校で朝食を食べる。途中で買うこともあれば、学校に着いてから学校の食堂で食べる。さすがに学校の食堂は安いからというのもある。

 ちなみに、子どもたちの学校は幼稚園から高校まであるのだが、幼稚園小学校は給食があり、中学校以上はこの食堂で自分で好きなものを買って食べることになっている。

 妻は学校で食べることもあれば、屋台で食べることもあるし、買ってきて家で食べることもある。日本と大きく違うのは、タイ人というかイサーン人(東北部出身者)は好きなときに好きなものを食べるという人が多いので、家族で揃って食べるのはせいぜい夕飯くらい。あるいは休日の昼食と夕飯か。世帯によって違うけれども、少なくともタイ人と日本人の「食卓を囲う」ことへの意識や考え方は違う。

 だから、ボクも朝食は毎日ほぼひとりで食べている。といっても買いに行くのが面倒なので、妻が子どもを学校に送った帰りに買ってきてくれたものを食べる。特にこれといってリクエストをせず、妻が適当に目についたものを買ってくる感じだ。だからこそ、毎日タイ料理というのもある。いずれにしてもタイ国内でタイ料理が安くておいしいのだから必然か。

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 妻が買ってくるのは屋台か市場だ。どの国もそうかと思うが、生活圏内にある普通の市場は朝が最も活気がある。市場には生鮮食品売り場だけでなく屋台などもあるので、そこで妻はタイ料理を買う。

 ご飯ものは発泡スチロールの弁当箱のようなものに詰めてくれる。おかずとご飯を別々に売っている場合、おかずと米を別々にビニル袋に入れてくれる。麺類も麺とスープを別々にビニル袋に入れられてくるので、自宅に戻ったらそれを器に移し替えて食べる。

 朝食でよくあるのが麺類だ。上の画像は米粉麺だがクイッティアオではなく、カオピヤックあるいはクワイジャップ・ユアンと呼ばれる麺類だ。もちもちとした弾力のある麺類で、タイ東北部とかラオスで好まれる麺だ。

 ときどき妻は材料を買ってきて作ることもある。ボクの妻は結構料理がうまい方なので、スープを自分で作って、そこにクイッティアオだとかカオピヤックを入れてくれる。スープは余ればその日の夜、最長で次の朝食に回される。米を入れてカオトム(タイ風のおかゆ)にしてもいい。

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 これはクイッティアオ・ロートというもの。醤油っぽい、甘いスープみたいなのがかかっているが、あくまでもソース的にかかっているだけだ。具材は干しエビやピーナッツを砕いたもの、揚げた豆腐、レタスみたいな野菜、モヤシ、揚げたワンタンの皮など。クイッティアオ・ロートは筒状のクイッティアオというような意味合いなのだが、上記画像のものは筒状ではない。

 クイッティアオ・ロートは中国語では腸粉という。腸粉は発酵させた米粉の汁を固めてシート状にしたものに、豚肉だとかいろいろな具材を包んだ料理だ。広東省発祥の点心のひとつらしい。ベトナムだとバインクオンという料理に似ている。

 画像で具材が巻かれていないのは、単に材料だけ同じで、「巻いたって巻かなくたって味は同じでしょ?」という店主の怠慢なのかと思われ。でも、包んでいないタイプのクイッティアオ・ロートもよくあるらしい。

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 バンコク都内の朝の屋台を見ていると、パートンコーという中国式の揚げた菓子パンと豆乳もいまだにある。また、意外とカオマンガイも多い。朝からなかなかの高カロリーだが、味的にはさっぱりしているから問題ない。よくよく考えれば、カオマンガイは日が昇る前に作り始める店が多いので、朝食のタイミングが一番おいしいとも言える。

 ただ、いつも思うのだが、カオマンガイは店で食べるべきだ。カオマンガイは持ち帰りにすると発泡スチロールに入れてくれる店もあるが、ほとんどが油紙に包んでくれ、スープとナムチム(タレ)はビニル袋に入れる。そして、自宅で食べるわけだけど、持ち帰るとなんか妙に脂ぎった感じになって、あまりおいしくない。ボク個人の味覚かもしれないが。

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 画像はないが、アヒルを載せたご飯のカオナーペットもよく食べる。上記のムーデーンとムーグロープのご飯も稀に妻が買ってくる。ムーデーンはいわゆるチャーシュー、ムーグロープは豚三枚肉のから揚げだ。

 カオナーペットと画像の料理はなにも言わないと、とろりとした甘いソースがかけられて出てくる。ボクはそれが嫌いなので、ソースはかけないでプリックナンプラーで食べる。プリックナンプラーはナンプラーにトウガラシやニンニク、ライムを入れたもの。妻はそのことをよく知っているので、買うときにちゃんと忘れずにかけないように言ってくれているようだ。

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 これもたまに。パッカナムーグロープだ。正確にはパック・カナーなのかな。カイランとかチャイニーズブロッコリーと呼ばれる野菜で、ムーグロープとニンニク、トウガラシを一緒に炒めている。ぶっかけ飯と呼ばれるカオゲーンの店によくある。脂っこいけどもシンプルな味つけなので結構好き。

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 妻がなにも考えていないときに買ってくるのがこのガパオ・ムーグロープ・クルックカーオだ。ガパオはもう日本人には説明不要の、あのバジル炒めである。

 クルックカーオと最後につくと、ガパオの仕上げに米をフライパンに放り込んで、炒めもののガパオとすっかり混ぜてしまう。いわば、ガパオチャーハンといったところか。ガパオの濃い味がご飯にまんべんなく染みていくので、結構食べやすいしおいしい。

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 このようにガパオ・クルックカーオは店によってちょっと違うので、意外と飽きない。ボク自身がおいしければ連続で同じものを食べることが苦痛ではないタイプなので、なにも言わないと本当に数十日この料理が続くこともある。記憶にあるのは40何日だったかな、連続だったのは。

 ガパオライスは日本ではタイ料理の代表みたいになっているが、その見方は間違いではない。ただ、たぶん想像されるような「代表」ではないと思う。

 というのは、タイではガパオはなにも食べたいものが思いつかないときに注文する、無難中の無難な料理という扱いだからだ。それくらい浸透しているというだけの話で、タイ人はガパオをタイ料理代表とはむしろ見ていないと思う。

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 あとはこういったデザート系もある。画像はカイタオという、サツマイモを丸めて揚げたもので、もちもちとしていて結構おいしい。ほかにもタイの伝統的なスイーツが市場には必ずあるので、そういうのも一緒に買ってきてくれたら、朝食後に食べることもある。

 これがボクのホントの本当の、タイにおける通常時の朝食の内容である。ほかにもあるが、だいたいこの中でチョイスされることが多いといったところだ。

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