USスチール日本製鉄による買収不成立なら製鉄所閉鎖?財務諸表では問題ないのになぜこのような報道に?
こんにちは!個人投資家のTAKA Chanです。
USスチールのCEOが、日本製鉄による買収が不成立になった場合、製鉄所の閉鎖を示唆する発言をしました。
この発言は、株式市場や投資家に大きな衝撃を与えています。財務諸表上は問題がないように見えるUSスチールが、なぜこのような状況に陥っているのでしょうか?特にマークしている話題ではないのですが少し調べてみました。
報道では以下のような感じ。揉めそうですね
本記事では、CEOの発言の真意を分析し、投資家にとって重要なポイントを解説します。
背景おさらい
USスチールは、北米で最大級の鉄鋼メーカーです。
しかし、近年は老朽化した設備や中国企業との競争激化により、厳しい経営状況に置かれています。
2023年8月、日本製鉄はUSスチールに対し、買収提案を行いました。
買収が実現すれば、USスチールは最新鋭の設備を導入し、競争力を強化できると期待されていました。しかし、買収交渉は難航しており、現在も決着には至っていません。
CEO発言の真意
CEOの発言は、以下のいずれかの意図、あるいは複数の意図が複合的に絡み合っている可能性があると捉えるべきです。
危機感を煽り、買収を促進: 買収の必要性を強調することで、株主や従業員、政府など stakeholders の支持を得て、買収交渉を有利に進めようとする狙い。
交渉戦略: 日本製鉄に対してより有利な条件を引き出すための駆け引き。
組合への圧力: 買収に反対する組合に対し、雇用維持のために買収が必要であることを示唆。
政治的アピール: バイデン政権に対し、国内産業保護の観点から買収を承認するよう訴えかける狙い。
情報戦: 株式市場や世論を操作し、自社にとって有利な状況を作り出すための情報戦略。
こんな感じでしょう。
Q3決算資料で確認(2024年10月31日の資料)
決算資料およびプレゼンテーション資料では、工場の老朽化に直接言及した部分はありませんでした。
ただし、間接的に関連する内容として以下の点が挙げられます。
資料とプレゼン資料
Mon Valley WorksとGary Worksへの投資計画
Mon Valley Worksでは、既存の熱間圧延工場やその他施設の改修・更新に少なくとも10億ドルの投資が計画されています。
Gary Worksでは、14号高炉の改修に約3億ドルの投資が予定されておりこれにより運営の効率性や環境への影響が改善される見込みです。
Big River 2(BR2)の進捗
BR2プロジェクトに36億ドルを投じ、最新鋭の設備を導入した新しいミニミルを稼働させています。これにより、U.S. Steelが最新技術を持つ施設を増やし、老朽化した設備の依存を減らす可能性が示唆されています。
財務状態については問題ない
流動性総額は41億ドル、うち現金は18億ドル。
2024年第3四半期終了時点の純負債は24億5800万ドル。
倒産リスクは低いと思う
現在の流動性と資金計画から見ると、倒産のリスクは低いとみえます。
ただし、鋼材価格のさらなる低迷が財務に影響を与える可能性がある。
これらの内容から、同社が特定の老朽化した施設に対処するための改修や新設備の導入を進めていることが伺えます。でも具体的な「老朽化」の程度や課題については、資料内で詳細に言及されていません。
投資家への影響
買収が今後進展し仮に成立した場合
USスチール株価は、買収価格を反映して上昇する可能性があります。
日本製鉄は、USスチールを買収することで、北米市場でのシェアを拡大し、収益増加が見込めます。
ただし、買収に伴う巨額の投資や、統合プロセスにおけるリスクも考慮する必要があります。
買収が不成立になった場合(2025/01/06現在は不成立状態)
USスチール株価は業績悪化懸念からすでに下落しています。
CEOの発言通り製鉄所閉鎖や人員削減の可能性は否定できません。
投資家は、USスチールの財務状況、経営戦略、競争環境などを慎重に分析し、投資判断を行う必要があります。
今後どうなるのでしょうかね。