2021年 全日本選手権MTB XCC男子エリート レースレポート
結果の良かったレースは忘れない内にレースレポートを書いておく。
何が良かったのか、後で見返す事で次のレースに活かすために。
ということで全日本選手権MTB XCCのレースレポートです。
直前に機材を壊し走行不能に
今大会は11/6(土)に全日本選手権MTB XCEが、翌11/7(日)にXCCが行われた。
11/5(金)に会場入りしXCEの試走をしたが、開始15分程度でクラッシュによる機材トラブルに見舞われて走行不能となった。
そこで急遽フレームの載せ替え作業を行い、プロトタイプのフルサスフレームを持ち出す事になってしまった。
ポジションもサスのセッティングも何もかも不十分な状態であったが、なんとかXCE、XCC共にスタートラインに立つことは出来た。
レースレポート書かないところからしてXCEの結果はお察しと言った感じだが、相変わらずタイムアタックはそこそこ速くて全体10位で予選通過していた。
XCC男子エリートクラス予選B組
この全日本選手権XCCは男子エリート上位10名にUCIポイントが付与されることが発表されていた。
自分にとっては難易度が高いが、これを目標としてレースに臨む事とした。
全日本選手権XCCは、エントリーをAとBの2組に分けて20名ずつの予選を行い、各組上位10名が決勝に進出する方式となっていた。
目標であるUCIポイント獲得のためには、まず数名のプロを含む予選B組の中で、何としても10位以内に入って決勝に駒を進める必要がある。
予選は20分。
1周目のタイムから合計周回数が決まるのだが、スタートからTEAM BRIDGESTONE Cycling沢田選手がかっ飛んでいく。
それにプロ選手が続くが、とてつもないハイペースに集団は1列棒状、所々で中切れが発生していた。
中切れに巻き込まれると集団復帰に脚を使う事になるので、積極的に前目前目で周回をこなし、何とか6位で予選を通過した。
ライドログを見てみて目を疑った。
NP342WでIF1.0超えである。
参考までにFTP設定は331W、体重は62kgだ。
予選からこの強度、そして決勝は10分長い30分のレースとなる。
予選終了後2時間のインターバルを挟んでの決勝となるが、とても息苦しい2時間だった・・・
XCC男子エリートクラス決勝
予選の各組を勝ち抜いた猛者20名が集まる決勝。
決勝進出メンバーと自分の立ち位置から第2集団内での展開を予想。
少しでも隙を見せようものならインもアウトも構わず抜きにかかってくるだろう。
スタート後3〜4周程度で予想通り集団が形成され、自分は8〜12位くらいまでを含む第2集団で周回を刻む。
やはり立ち上がりの加速は凄まじく、疲労など関係なく踏むしかない展開。
途中、立ち上がりの加速が一瞬遅れた自分を佐藤誠示選手が追い抜く。
そして追い抜き様に「ついて来い」とハンドサインをくれる。
目標としている選手の激励に、悲鳴を上げる脚にさらにムチを打って後を追った。
昨年は追えなかった背中に追い付き1年の成長を感じる。
しばらくすると第1集団から2名脱落してきて、それを吸収して6〜12位くらいまでの集団となる。
この集団内に目標としている10位以内のボーダーラインがある。
しかし牽制し合ってしまうと、この第2集団でさえも80%カットされてしまう危険性があったので、積極的に前に出てペースアップを図る。
前を引くのは主に佐藤選手と自分。
佐藤選手のペースが落ちたら声を掛けて前に出て踏む。
予選より10分長い30分の決勝で、このペースで踏み続けて脚が持つ気はしなかったが、めちゃくちゃキツい中で不思議と踏みやめようとは思わなかった。
UCIポイント獲得への執念と、超ハイレベルなレースに無我夢中で走っていた。
残り2周の登り区間でTOYO FRAME竹之内選手が抜け出し7〜11位集団となる。
さらに最終周回に入るタイミングで11位につけていたPAX PROJECT色川選手がスリップダウンによる落車で集団脱落。
これで7〜10位パックはGIANT門田選手、佐藤選手、小笠原選手、自分の4名。
最終周登り区間に先頭で入り、後方から佐藤選手、門田選手の強烈なアタックがあり反応するも脚が付いてこず着き切れない。後方には小笠原選手。
その並びのままスプリントとなり、最終コーナーを抜けて9位でゴールとなった。
目標としていた10位以内となり嬉しい反面、トップ選手達との差を痛感したレースであった。
しかし、キツイ中でも集団を先頭で引っ張る積極的な走りが出来たことは大きな収穫。
ゴール直後のぶっ倒れていた2分程度を含んでのライドログ。
30分でNP326W、IF0.985。
予選20分全開走行した後でもこれだけ出せるのかと驚くと共に、やはりレースの追い込み度は別格だと思い知る。
次のステップに
男子エリートクラス9位となり、目標としていたUCIポイントを獲得することが出来た。
この1年での成長はレースリザルトを見れば明らかで、コロナ以前とは比べ物にならないほど走れている。
しかし、まだまだ上には上がいる。
ステップを上がれば次のステップが見えて来る。
この先は本当の意味での国内トップライダー達の高い壁だが、次はこの壁を超えるべく日々のトレーニングに打ち込んで行きたいと思う。
使用機材
Frame:NESTO PROTOTYPE
F.Fork:SR SUNTOUR AXON WERX34 Boost 110mm EQUALIZER
Components:SHIMANO XTR M9100 36×10-51T
PowerMeter:Stages Power meter XTR M9100 Race
Wheel:P&P COMPONENTS WH-C1600M
Tire:PIRELLI SCORPION XC RC LITE 29×2.2 前後1.35Bar