MTB XC国内ランキング11位のMMP
自転車レースで上位を目指すにあたって、多くの人はトレーニングに打ち込んでいると思いますが、何を目安にどこを目指して頑張れば良いのか分からなくなった事はないでしょうか。
自分の体験談で言うと、「どのくらいパワーが出たら何位くらいになれるのか?」などの目安があると、幾分かトレーニングに対するモチベーションが上がった記憶があります。
今回はそんな悩める自転車競技者(特にMTB XCの選手)に向けた参考程度のお話。
MMPとは
タイトルに書いてあるMMPについて簡単に説明すると、Mean Maximal Powerの略で「特定の時間持続可能な最大平均パワー」の事です。
1分最大平均とか20分最大平均とか、その人の持つ戦闘力みたいなものと考えると分かりやすいかと思います。
MMPは、どの時間領域でも高い数値を出せることに越した事はないですが、なかなか全てを高める事は難しいのです。
自分の取り組んでる競技種目に合わせてトレーニングをすると結果に繋がりやすいと言われています。
例えば1時間程度のヒルクライムレースにターゲットを絞るなら、60分MMPが高まるようにトレーニングをするべきで、短時間MMP(数十秒とか数分)はあまり気にしなくても良い、ということです。
私のMMP
いきなり答えを書いてしまうとつまらないですが、これを書かないと話が進まないのでとりあえず。
あくまでもGarmin connectに残っている範囲での記録なので、マイベストMMPであり、今現時点でのMMPでは無いという点にご留意頂きたい。
とは言えほぼすべてここ2年以内のMMPです。
なお、PWRの体重は62kgで計算しています。
1秒MMP 1,589W 25.7W/kg
2秒MMP 1,377W 22.2W/kg
5秒MMP 1,244W 20.1W/kg
10秒MMP 1,191W 19.2W/kg
20秒MMP 1,057W 17.0W/kg
30秒MMP 818W 13.2W/kg
1分MMP 630W 10.2W/kg
2分MMP 495W 8.0W/kg
5分MMP 410W 6.6W/kg
10分MMP 364W 5.9W/kg
20分MMP 348W 5.6W/kg
30分MMP 327W 5.3W/kg(※参考)
※30分以上から本気で踏んだデータではない可能性が高いので参考記録
このパワープロフィールを持って、2021年のMTB XC国内年間ランキングが11位でした。
ちなみに2021年の個々のレースリザルトはこちら。
CJ1菖蒲谷 XCC6位/XCO15位
CJ1びわ湖 XCC6位/XCO7位
CJ2前橋D1 XCE5位/XCC5位
CJ2前橋D2 XCE5位/XCC4位
CJ1富士見 XCO24位
CJ2川越D1 XCE3位/XCC2位
CJ2川越D2 XCE4位/XCC3位
全日本XCE 16位
全日本XCC 9位
全日本XCO 9位
※全て男子エリートカテゴリ
もちろんレースはパワーだけで決まるわけではないので参考程度ではありますが、あまり見ることが無いデータではないでしょうか。
自己分析
このMMPデータを見てどう考えるかは人それぞれだと思います。
取り組んでいる種目によっても伸ばすべきゾーンが変わってくるので、何が正解とは言えません。
強いて言うなら、全部高い方がいい事だけは確かです。
参考までに、自分はMTB XC種目に取り組んでいるため、国内XCコースを想定して5分以下のゾーンにターゲットを絞ってトレーニング方針を立てています。
つまり、MTB XC種目においてさらに上を狙うには5分以内のMMPがまだまだ弱いと感じています。
厳密にいうと、MMPを伸ばすことが目的というよりは、MMPを高めることによって、 MMP以下の高出力を繰り返し出せるようになることが目的です。
私の想像なので真実とは異なるかもしれませんが、国内ランキング10位以内で私のMMPより低い人はいると考えています。
なぜならば、私はオフロードのライディングスキルが他の選手より劣っている自覚があり、それを補うためにパワーを身につけているという自負があるからです。
これは生活環境的によるところが大きいのですが、トレイルや常設コースなどのオフロード練習環境が近くになく、短所を補うよりも長所を伸ばす方が効率良く成績に繋がると考えた結果です。
つまり、より効率良くオフロードを走るスキルがあれば、私ほどのパワーがなくても上位は目指せるということです。
しかし、このレベルまでくると、フィジカルパフォーマンスを高めるのは容易ではないため、ライディングスキルの向上にも取り組む必要性が出てきます。
目下これが大きな課題です。
数字に惑わされていないか
パワーは高いに越した事はありません。
力 is パワーです。
しかし、レースにおいてはパワーが出ていれば成績が良いと言うわけでもありません。
少ないパワーで上位に食い込むことが重要です。
つまり、「少ないパワーで速く走る」ことが本質なのです。
どんなに登りでパワーを出せても、しっかりとトラクションを掛けられなければ推進力には繋がらず速くは走れません。
また、少ないパワーで速く走れれば、もう1、2段階ギアを掛ける必要がある勝負所でさらに踏めるようにもなります。
日頃のトレーニングで高出力を出せる体を作り、少ないパワーでスピードを出す乗り方を身につける、これを深掘りすることがリアルレースで結果を出す近道だと考えます。
数字データに囚われ過ぎず、手段が目的とならないように常に意識することも大切です。
あくまでも私の数字情報と持論でありますが、読んで下さった方の気付きに繋がれば幸いです。
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