【フリーランスエンジニアが仕事もせずに巡礼してみた2023】§20 巡礼20日目 嫌なことは嫌と言う
§20-1 朝
「朝は私が起こしに行くから、アラームはかけないように!」
昨日そう忠告されていたので朝になっても誰のアラームも鳴らない。
非常にいい朝だ。
しかも、いびきがうるさい人もおらず、静まり返った夜だった。
奇跡的だ。こんなに人がいるのに。
朝ご飯を食べながら、みんな静かだったことにびっくりしていた。
朝ごはんのパンがすごく美味しい。コーヒーも美味しい。
ここは全てが良い。
こんなアルベルゲばかりだったらいいのに。
§20-2 別れ道
昨日教わった別れ道。
さて、どちらに行こうか。
天気もあまり良くなさそうなので、海岸沿いに進む。
水もそんなに持ってないし、食料はアボカド1個しかない。
スペインはアボカドが安い。
1kgで3€ぐらい。日本だったら2〜3個買えるぐらいの値段。
言われていた通り、看板を確認した通りのアップダウン。
今日も1人で歩く。
途中、何人か巡礼者に出会って会話したり写真を撮ったりした。
山の方を見たら、すごく天気が悪そうだった。
雨が降り出した。
山を選ばなくて本当に良かった。
§20-3 アルベルゲ変更
アルベルゲに着く。昨日のアルベルゲで出会ったモニカがいた。
この旅でモニカというドイツ人女性に会うのは2人目。
13:20着。アルベルゲが13:30から。
ちょっと待ってアルベルゲに入る。
ベッドが汚い。非常に汚い。
ダニみたいなやつもいる。なんか動いてる。
これはちょっとなぁ。
まぁでも、しょうがないか。
虫除け付きトラベルシーツの本領発揮かな。
モニカが他のアルベルゲに電話を始める。
ここでは嫌みたいだ。
僕もここは嫌だ。
なんとなく電話の様子を伺う。
電話が終わり、一緒に他のところに行こうと言われた。
ダブルルームが40€なので、1人20€。
あなたが同じ部屋でいいのなら。
英語が話せなくても、昨日頑張って会話したおかげだね。
去年もその日会った巡礼者とダブルルーム泊まったなぁ。懐かしい。
新しいアルベルゲに移動するため、ここを出る。
嫌な顔される。当たり前だよね。予約して入ってきたのにやっぱり他に行きますなんて。
2人もいなくなるんだから。
でも、身体中ダニにやられるよりマシだ。
自分の身は自分で守る。
ただ、この一瞬の嫌な思いをかき消すほど、移ったアルベルゲは良いところだった。
個室。トイレ、シャワー付き。テレビ付き。
タオルも用意してある。
商店とカフェレストランも歩いて30秒。
豪華だ。トラベルシーツを使わずに寝ていいところだ。
これで1人20€でいいのか。信じられない。 1人40€でもおかしくないクオリティ。
いつだったか、宿がなくて贅沢したホテルは85€ぐらいだったはず。
選択ひとつで人生が好転する。
嫌だったら嫌だと言えばいい、それを身をもって理解した。
外は雨だけど、快適で静かな部屋。
明日の宿の予約も終わり、ゆっくりするだけ。
楽しく写真撮る余裕すらある。
夜ご飯を食べに行く。
モニカはサッカーファンで、よくスタジアムに観に行くらしい。
「ワタルエンドウを知ってる?」
と聞かれた。もちろん知ってるよ。
日本代表でも重要な選手だよ。
「彼はレジェンドなんだ!」
シュトゥットガルトで重要な選手だと、ドイツ人から聞いた。
なんか嬉しい。
ドイツはサッカーとハンドボールが人気のスポーツであることも知った。
「子供が18歳になって手がかからなくなったから時間がたくさんある。来年はネパールに行く予定!」
そんなことも言っていた。
記憶が確かなら、最初に会ったモニカもネパールに行くとか言ってたような。
不思議な縁を感じた。
さて、明日は16km。
ゆっくりスタートしよう。