CIA(公認内部監査人)資格の難易度はどのくらい?勉強時間や合格率から徹底考察
こんばんは。餃子バイキングです。
CIA(公認内部監査人)に挑戦するか悩んでるそこのあなた!
CIAってどのくらいの難しさなのか、自分でも取れそうな資格なのかって正直よくわからないですよね。
「なんか四択問題ならなんとかなりそうな気がするけど、3科目もあるなら時間かかるし大変かな・・・」
と悩んでいる人は多いです。
私も内部監査の仕事に就くことになった当時、上司にCIAを勧められたものの、周りにCIA取得者がおらず、ネットで調べても情報が少なくてよくわからずで、目指すかどうか悩んでいました。
同じように判断に困っている方も多いと思います。
そこでCIA資格を取得し、受験を経験した身として、
CIA(公認内部監査人)資格の難易度について情報を整理し、余すことなく伝えていければと思います。
勉強時間、他資格との比較、合格率等、色々な観点で考察していきますので、
自分でも出来そうかどうか、想像しながら見てもらえると嬉しいです。
それではいきましょう!
CIAは難しいけど、取れない資格ではない
まず結論です。
CIAは難関資格ではありますが、監査の経験を積んだベテランでないと歯が立たない、ということはありません。
監査の実務経験が少なくても、勉強さえしっかりとすれば十分合格できます。
実際私も監査部に配属になったタイミングで勉強を始めたので、実務経験はほぼない状態でスタートしましたが、合格することができました。
しっかり勉強すれば、誰にでもチャンスがある資格です。
まず初めにCIAの試験概要についてみていきましょう。
CIA(公認内部監査人)試験は3科目に分かれていて、全ての試験に合格すると資格認定を受けられます。
試験の形式は全て4択問題。
Part1が150分で125問、Part2,Part3が120分で100問です。
概ね75%程度の正答率で合格になります。
この「概ね」というのは、CIAは「スケールド・スコア方式」というものが採用されているためです。
これは、生のスコアではなく、難易度の違いを調整した後のスコアによって合否が判定される仕組みになります。
仮にとんでもなく難しい試験に当たった場合、正答率が75%に達していなくても合格の可能性があるよ、ということですね。
一見四択問題で75%であればなんとかなるんじゃないか、という気持ちになりますが、実際には問題数も多いですし、当てずっぽうで突破出来るような試験問題ではなかったです。
それでは以下で、様々な観点からCIAの難易度をチェックしていきましょう。
①勉強時間:400時間前後
CIA取得に必要な勉強時間ですが、一般的には300〜500時間と言われています。
私自身も400時間弱でしたので、ある程度信頼しても良い数字なのかなと思います。
1年間で取得しようと思えば、週に7〜8時間。
半年での取得なら週に15〜16時間です。
ご自身のペースに合わせて、勉強計画を立てるときはまずはこのあたりを目安に作ってみてください。
勝負の鍵は通勤時間にあり
毎日仕事で夜遅くまで働いて、家に帰れば家事、育児…
その合間になんとか時間を捻出して勉強する。これが社会人の資格勉強の最も過酷なところです。
まとまった時間はなかなか取れませんよね。
そこで私がおすすめしたいのが「通勤時間の活用」です。
通勤時間は通常、他の活動に使えない「空白の時間」で、用事が突然入ってくることもありませんので、集中して勉強することができます。
スマホにうまく学習内容を落とし込んで、通勤時に勉強がしやすい体制を整えていきましょう。
時間はあくまでも「目安」
資格勉強の鉄則ですが、あまり勉強時間にこだわりすぎないようにしましょう。
もちろん忙しい合間を縫って300時間も400時間も勉強し続けることは素晴らしいことです。
ただ一方で資格試験は時間の積み上げで合否が決まるわけではありません。
毎日の勉強も、「1時間頑張る」のではなく「⚪︎ページの⚪︎章まで頑張る」とノルマを決めて進めていくようにしましょう。
また、特にCIAの場合受験のタイミングを自分で決めなければならないため、時間に重点を置き過ぎると、「このパートももう100時間勉強してるし、そろそろ受験しようかな…」ということになりかねません。
勉強時間は「大丈夫、100時間以上自分は勉強してきたんだ…絶対に受かる」と受験当日に自信を持つために使いましょう。
あくまで受験に踏み切る判断は、積み上げた時間ではなく理解度で決めるようにしてください。
ちなみに積み上げの記録は、「Studyplus」というアプリを使用するのがおすすめです。
CIA勉強仲間も出来ますよ。
②他資格との比較:簿記二級より難しい、簿記一級より簡単
CIAの大まかなイメージとしては、日商簿記二級より難しく、日商簿記一級よりは簡単です。
以下がこれらの資格の一般的に必要とされる勉強時間です。
やはり大体一級と二級の中間くらいの所要時間になっていそうですね。
ただ先述の通り、勉強時間はあくまで目安として取り扱ってください。
CIAの難易度偏差値は62(?)
また、「資格の取り方」という面白いサイトもあります。
こちらでは多種多様な資格の難易度を偏差値化し、ランキングでまとめています。
見てみると、CIAの偏差値は62でした。
前後にあった主な資格は以下の通りです。
やや高めに設定されている気もしますが、どうなんでしょうか。
筆者の見解
以上を踏まえ、CIA受験を実際に体験した私の見解もお伝えします。
私自身簿記二級は取得しており、簿記一級は途中で挫折したことがあります。
そんな私から見ても、CIAが簿記一級と簿記二級の間に位置しているのは間違いないです。
ちなみにCIA Part3の会計分野は、管理会計、財務会計ともに簿記二級に相当する知識が主です。
ただ簿記二級をCIA受験の前段階として取得する必要はないです。事前の会計知識がなくても、CIA用の勉強で十分対応できます。
「資格の取り方」の他資格は…どうでしょう。笑
社労士や行政書士の難易度がまるでわからないため、なんとも言えません。
これらの資格とCIA、どちらも保有している方がいらっしゃれば、是非お話を聞いてみたいです。
③合格率:米発表の合格率は各パート40%〜50%
CIA(公認内部監査人)の合格率は、残念ながら日本では公開されていません。
ですがIIAのアメリカ本部のページで、世界全体の合格率は毎年公開されています。
各パートの合格率は以下の通りです。
簿記二級の合格率は20%前後、簿記一級の合格率は10%前後なので、一見するとまあまあ高いように見えます。
しかし、
・3科目全てに合格する必要があり、ストレート合格は10~15%であること
・内部監査を仕事としている、専門性を持つ社会人のみが受験生であること
・受験料が簿記の何倍も高額で記念受験やギャンブル受験が許されないため、十分に準備をして臨む受験生のみが母数となっていること
を考えると、実際合格率は決して高くはないです。
なぜCIAの合格率は低いのか、私なりの見解を以下にまとめます。
合格率が低い理由①:過去問がない
CIAは過去問が公開されていません。
そのため受験生は、市販のテキストや予備校のテキストを使って問題演習を進めることになります。
実際に受験をすると、問題集と同じ問題はほとんど出ず、「問題集よりも少し難しい初見の問題」ばかり出ます。
そのため、問題集の答えを丸暗記したような受験生は苦戦する傾向にあります。
合格率が低い理由2:試験本番で意外と時間がない
理由二つ目は「意外と時間がない」ことです。
ここで試験時間を一度おさらいしましょう。
CIAの試験はコンピュータで解き、迷った問題は「フラグ」という印をつけ、あとで見直しやすくすることが出来ます。
この試験、問題自体を解ききる時間はあるのですが、フラグをつけた問題を一通り見直し終えるまでの余裕がなかなかとれません。
ただこの見直しの時間が重要で、100問以上堅い文章の四択問題を解き続けると、集中力がなくなってきて解くペースも落ち、判断力も鈍ってきます。
ひと息ついた見直しの段階で、改めて問題を見たときに「はっ…!」と気づき答えを修正することがよくあるんですよね。
私自身も見直しで5問以上解答を変えました。
本当であればフラグをつけた問題くらいは、一通り見直してフィニッシュしたいのですが、絶妙な時間設定になっており、そう上手くいかないのがCIAの難しいところです。
四択問題を100問以上解き続けていく中で、徐々に疲れてきて解くペースが落ち、思うように見直しの時間が取れずに、本来なら解けた問題を落としてしまう…
このようなところにも、思うように実力を発揮できない背景があるのではないでしょうか。
筆者の見解
CIAは無理ゲーなのか
さて、ここまでお読みいただきありがとうございます。
お伝えしてきたように難しい面もありますが、CIAは決して無理ゲーではありません。
しっかりと対策を積んで、ポイントを押さえて勉強すれば取れる資格です。
私は簿記二級くらいしか持っていない、どこにでもいる普通のサラリーマンでした。
監査の仕事も右も左も分からない状態です。経験豊富な監査のエキスパートではありません。
そんな私でも合格できるので、特別な経験や才能は一切不要です。
受験料も高くハードルが高く見えますが、その分希少性があり、今の内部監査の需要を考えると、非常に市場価値が高い資格です。
IIAのHPに「内部監査求人情報」というページがあります。CIAを歓迎要件としている内部監査の求人が実際たくさんあり、需要の高さを感じられるので一度覗いてみてください。
また、CIA取得のメリットについては、こちらの記事もチェックしてみてくださいね。
予備校は必須なのか
私は予備校の受講料を払うことを考えれば、仮に何回か落ちたとしてもそっちの方が安上がりで済むと思い、独学を選びました。
授業を受けずともテキストを読むことで概要把握は出来ますし、独学でやっていて困る場面はほとんどなかったです。
予備校に通った方が良いという情報多いですよね。記事の下の方に予備校のリンクがあり、リンクに誘導するブログ記事って大体報酬目当ての…
確かに予備校に通った方が、効率よく学習を進められ、情報が手に入りやすいのかもしれません。
しかし独学でも十分にやっていけます。
ネットに情報が少なく、苦労されているかもしれませんが、私が上手くその助けになれればと思います。
まとめ:難しいが十分合格可能。希少性も高くメリットも大
ここまでお読みいただきありがとうございました。
今回のテーマは「CIAの難易度について」でした。
CIAは
という位置付けで、実際に受験を経験した私の目から見ても、それは間違いないかと思います。
ストレート合格は10~15%と少数ではありますが、独学でも十分可能です。
USCPA等の難関資格と比べると取りやすく、一方でそれなりに拍が付く資格ですので、監査業務に携わる方には是非目指してほしい資格です。
独学で合格するために、以下のnoteも作成しています。
どれも数ヶ月かけて作り上げた大作ですので、よかったらチェックしてみてください。
今後ともCIA資格について、初学者の皆様のお役に立てる記事を作成していきます。
それでは!