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カモミールを信じてる。


今日は在宅勤務。割と先週作業を進めておいたので今日はさほど忙しくなく、最低限やることは午前中にやっつけた。せっかくだしもう少し作業を進めようかとも思ったが、ちょっとサボることが復職後のモットーなので最低限に留めておく。枕や布団カバーなど寝具一式をデカい袋に詰め込んでコインランドリーに行く。ベッド周りの布物は日々使っているとしっとりしてくるのでできれば週に一度は丸洗いしたい。容量の大きい洗濯乾燥機を選んだので待ち時間が1時間とちょっと長い。友人から借りた「東京まで、セルビア」という小説を読みながら待つ。セルビア人の作家が日本語で執筆した本でどことなく言い回しや会話のテンポが日本人のそれと違っていて面白い。説明的な描写と私的な表現が入り混じり、小説だけどエッセイを読んでいるような、不思議な読書体験だ。

洗濯を終えふかふかになった寝具を持ち帰り少しだけ仕事の続きをする。ついでに受講期限が来ていたセミナーの資料をパラパラと眺めて生成AIの知識を深める。英語と日本語が異様に入り混じる資料を浴びるのも久しぶりだが、案外抵抗なく読み終えた。

早々に切り上げ無印とカルディに買い出しに行く。良品週間が始まったので今は10%オフで買い物ができる。セールが始まったからとて欲しいものを取り急ぎ考えるようなことはしないけど、日用品などどうせ買わなきゃいけないものたちは安い時にまとめて買うようにしている。空気が乾燥してきたのでスキンケア用品やらご飯にかける具材のレトルトやら、ちょっと糖分が欲しい時のお菓子などを買っていく。カルディにはハーブティーを買いに来た。ハーブティーは休職中に新たに身につけた習慣で用途に分けていくつか常備している。喉がイガイガする時や寝る前に気分をまどろませる用、あとは不安を感じた時の安定剤として。ハーブティーがメンタルの安定に効くというのは以前から聞いたことはあったが、たかが葉っぱの汁じゃんと疑っていたのだが、それはきっと「メンタルに効く」のふわっとした響きが醸す胡散臭さが原因で、「自律神経をコントロールする脳の視床下部に直接届いて気分を安定させる」と身体的な効果として表現されると納得したし、実際飲んでみるとそうだなと思う。ハーブティーの代表格がカモミールで、今では飲まない日は無いと思うほど欠かせないものになっている。比較的スルッと復職を迎えたのだけど、根拠のない不安が襲って心臓がバクバクする瞬間というのはやっぱりあって、そんな時の対処に何が効くか日々実験しており、その一つがカモミールなんである。職場の飲み物コーナーにいつも常備されていて、あ、今ワナワナしてきたわと感じた時にはそそくさとカップにお湯を注いで飲んでいる。ハーブの成分なのか、温かい飲み物で内臓が温まるからなのか、何が効いてるのかは定かではないが、気分の強張りがほぐれるのは確かな実感があるので飲んでいる。カモミールを信じるようになったんだな、と自分の人生が少しこれまでと違う段階に来たことを感じている。自分の生活にこれは欠かせないとか、いつも買ってしまうものとか、自分にとってのリフレッシュ方法とか、そういったメンテナンス術を知らないまま30近くまで過ごしてきた。気の向くままに食べて飲み、自分の快適さよりも義務感と責任感で働き込み、自分のいい状態を維持するために何かを買ったりサービスを利用するという概念がなかったのだが、流石にそれで保てる若さでももうないので、自分に必要なものを取り入れることも歳を重ねていくことなのだなと、葉っぱの汁を啜りながら思う。

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