関ジャムゴールデンスペシャル「令和に活躍する若手アーティストが選ぶ最強平成ソング」に便乗して、自分も平成のベスト30を紹介してみる。

 

30位.ART OF LIFE(X JAPAN・平成5年)

 30分近い超長尺の中に、ジャンル的に様々な要素が入り込む楽曲。クラシックなら少ないくらいだし、洋楽ならあったらするのだろうけど、日本のロックバンドがこうした楽曲を出したってことそのものや、実際に様々な要素、それもXが魅力的に映る内容だったのが素晴らしい。


29位.強く儚い者たち(Cocco・平成9年)

 一時期、J-POPは前向きな曲という印象が強い時期もあったその後に、そこに疲れてしまったところにそこに対しての癒しも感じる楽曲。彼女を「メンヘラ」なんて言葉で括られてしまったりもするけど寄り添ってくれる曲だと思う。


28位.LIFE(YUI・平成17年)

 アニメ主題歌としてリリースされたYUIの楽曲。福岡から上京してきた彼女自身の境遇が生んだ楽曲も彼女にはあるが、そんな要素と東京で音楽で生きていく力強さを感じる楽曲。また、ギターを持って歌う女性シンガーで、特に弾き語りという面で大きな影響を与えた人だと思う。シングル発売時に前のシングルのアコースティックver.が収録されてたのも良かった。


27位.虹(L'Arc〜en〜Ciel・平成9年)

 1年間の活動休止後の復活時に、バンド名である「虹」を掲げた曲をリリース。HYDEの放つ退廃的な世界観や歌声も良く、また退廃さだけでなく、キャッチーさもバンドサウンドが魅力なラルク。とにかく自分世代にとってカッコよさを放っていた。


26位.今夜はブギー・バック(スチャダラパーFeat.小沢健二・平成6年)

 この曲は完全に後追いだけど、スチャダラはフジテレビの子ども向け番組のポンキッキーズに出演しており、馴染みある存在であったし、そんな彼らが日本におけるヒップホップの普及に貢献して買い、さらに渋谷系の象徴的存在オザケンによるユルさの中に音楽的に優れた物が詰まってる感じが魅力的。


25位.能動的三分間(東京事変・平成21年)

 基本、同一ミュージシャン一曲にしてますが、椎名林檎様関連だけは3曲、後2曲出ます。すいません笑。タイトルの通りピッタリ3分間の中にスタイリッシュでスキルの高い事変サウンドが繰り広げられる素晴らしさ


24位.夜空ノムコウ(SMAP・平成10年)

 それ以前もJazzやファンクのジャンルやミュージシャンを取り入れ音楽的に充実していた反面、バラエティ先行で人気の出た印象のあったSMAPがついに初のミリオンとなった楽曲。スガシカオ作詞、川村結花作曲で二人ともセルフカバーも行なっている。激動の90年代を憂いつつ未来へ向かう楽曲が時代とも合ってたし、スガシカオも世間に注目されるようになるなど、アイドル×提供者がWIN-WINの関係になった点も良かった


23位.SAKURAドロップス(宇多田ヒカル・平成14年)

 衝撃のデビュー以来、高い音楽性とキャッチーさを絶妙な塩梅だなといつも驚かされる彼女。中でも、この曲はMVも印象的で、こうした楽曲をヒット曲にしてしまう人は中々いないと思う。タイトルが「サクマドロップス」と引っ掛かっている親しみやすさも素晴らしい。


22位.エロティカ・セブン(サザンオールスターズ・平成5年)

 こんなタイトルリリースしてる超メジャーバンドなんて他に存在しないのでは笑?しかもドラマタイアップのシングル曲ですからね。マンピーとかの方がもっとすごいけど。何気に、サビの桑田・原坊のハモリがすごく良いし、さりげなく入る装飾音が好きだったりします。


21位.少年時代(井上陽水・平成2年)

 超スタンダードナンバーのこの曲。ピアノとストリングスが調和するようなイントロから昔を思い出すようなサウンド。陽水の歌声はもちろんなのだけど、曲全体的にストリングスがいい味出してて素晴らしい。後サビ前の絶妙なタメもたまらないですね。一サビ後に2番行かずに間奏入るとこも素敵だなぁ。


20位.チェリー(スピッツ・平成8年)

 現在30代前半の自分にとって世代的なスタンダードナンバー。成人式の時に、自治体ごとに式典やってる時にそれぞれ違う中学校が集って、中学ごとに校歌を歌った後に、全体でこの曲を歌った。それくらい世代のみんな知っている曲。もっと尖ってたり、歌詞の考察をするとより面白いスピッツだけど、そういうバンドがでもみんなが親しめる曲も産んでいることがすごい。


19位.N.E.O(CHAI・平成29年)

 音楽性の高さはもちろんなんだけど、コンプレックスを全肯定するそのメッセージ性に頼もしさとパワーを感じた。MVもそのメッセージ性と音楽的な凄さを際立たせる内容に感じたのでMVも観てほしい!


18位.アゲハ蝶(ポルノグラフィティ・平成13年)

 ak.hommaこと音楽プロデューサー本間昭光による刹那感のあるラテンサウンドが大ヒットとなった夏の曲。ギター新藤晴一による歌詞との相性もものすごく良かった。ポルノも世代的には直撃だったし、後にKing Gnu井口が大好きでラジオでポルノ曲のカラオケ企画をやったり、令和世代のミュージシャンにも影響は与えたと思う。


17位.ニシエヒガシエ(Mr.Children・平成10年)

 間違いなく平成のトップランナーのバンド。あまりにも多すぎるヒット曲の中で、あえてこの曲を。『深海』なんかバンドサウンドだし、『BOLERO』収録シングルはホーンやストリングスが活躍してる曲も多い。この曲はまた新しく、デジロックサウンド、そこが好きだったりします。活動休止していた中で唯一のリリースとなった当曲は、復帰後初アルバムとなった『DISCOVERY』に収録された。


16位.獣ゆく細道(椎名林檎と宮本浩次・平成30年)

 エレファントカシマシの宮本浩次って、子どもの頃に童謡歌手の時代があって、その後エレファントカシマシとして活動。宮本本人は間違いなく上手いシンガーだし、そう認識もされてたと思うけど、反面エレカシの曲って歌の上手くない人でも歌える曲って印象もあった。だから、「獣ゆく細道」をミヤジが歌った時に、本来の実力を発揮しまくっちゃった感がすごかった。(しかも、椎名に「こんな曲じゃなかった」と言わせるまで荒ぶりまくっちゃった点も笑)
 以後、ミヤジがソロ活動もバンドと並行して行うようになった点も、いかに椎名林檎がミヤジの更なる才能を開花させてしまったか。


15位.a Day in Our Life(嵐・平成14年)

 後に国民的アイドルとなり、2020年まで活動した嵐。人気ドラマとなった「木更津キャッツアイ」の主題歌となったこの曲は、とにかく攻めている。ドラマタイアップのシングル曲をほとんど、櫻井翔のラップと大野智のボーカルで成り立っている点もアイドルとしてかなり斬新だったと思う。ラップシーンの影響を公言し、自身でRAP詞も手がけるようになる櫻井を「A・RA・SHI」以上に効果的にアピールした様に思う。


14位.糸(中島みゆき・平成4年)

 不思議な曲で、元々アルバムの一曲としてリリースされた。その後、両A面シングルの一曲としてドラマ主題歌に使われていたが、その際もそこまで大きな人気を得なかった。大きかったのは櫻井和寿らによるBank Bandのカバーが、CMに起用されたことが大きかったように思う。しばらくは「隠れた名曲」と称されていたけど、あまりにも多くのシンガーにカバーされ、同曲をイメージした映画も制作。結婚式に使われる曲としても知られるようになった。カバーから原曲の偉大さが発見されるのが面白く感じる


13位.JAM(THE YELLOW MONKEY・平成8年)

 社会的なことを歌いつつ、身の回りの生活をリンクさせて歌うの、90年代ミスチル(00年代はより)とイエモンは印象的だったなと思う。この曲の歌詞を聴いてハッとした人って多いと思うし、でも身近な愛も歌っている点に生活と乖離しすぎた曲にもなってない。その上で、演奏、特にドラムの盛り上げ方も好きだし、吉井和哉のボーカルも好きなんだよなぁ


12位.アイドルばかり聴かないで(Negicco・平成25年)

 ピチカート・ファイヴ小西康陽が新潟を拠点とするアイドルNegiccoに提供した曲。渋谷系満載のサウンド。アイドル戦国時代、良くも悪くも握手会ビジネスがアイドル以外も含め当たり前になりつつあった中で、どんなにお金を積んでもデートもキスもできないという歌詞の歌をアイドルに歌わせてしまったすごさ。


11位.BE MY BABY(COMPLEX・平成元年)

 とにかく最強のイントロだと思う。(別ベクトルだとB'zの「LOVE PHANTOM」があるけど)布袋さんがシャワーを浴びていた時に浮かんだというこのクセになるイントロ。最近までR-1グランプリのテーマに使われ、川口春奈出演の女性用シャンプーのCMにまでなぜか使われている。でもそれだけのインパクトがある。2011年復活した時のライブにロングバージョンになったイントロはより好き。このイントロに乗っかって両サイドからずっと活動休止状態だったCOMPLEXの布袋と吉川が出てくるのとんでもない光景です。そのライブBlu-ray入手困難ですけど。


10位.サヨナラCOLOR(SUPER BUTTER DOG・平成13年)

 ファンクサウンドがかっこよく魅力的なバンドでした。この曲自体はSBDそのものというよりかはむしろハナレグミソロの印象はあるけど、2008年に解散してしまったこのバンドを象徴している曲にも感じるので。ハナレグミ、キーボードの池田貴史も後にレキシとして人気者に、ギター竹内朋康も椎名林檎や堂本剛らのギタリストとして等、バンドメンバーが現在もJ-POPで活躍しているのがこのバンドの偉大さの証拠じゃないかなと


9位.若者のすべて(フジファブリック・平成19年)

 志村にとっては自信作だったにも関わらず、当初あまりバンド内でも評価されていなかった。2009年に作詞作曲ボーカルの志村が急逝ししまうが、以後、山内をボーカルにバンドが存続し、この曲もBank Bandはじめ多くの人にカバーされた。この歌詞の曲を「若者のすべて」としたタイトルも秀逸。サビ前のキーボードが盛り上げていくところも好き。志村の地元でチャイムで使われたり、念願のMステ披露、教科書に載るなど、まだまだこの曲は大きくなっていくと思う


8位.アルクアラウンド(サカナクション・平成22年)

 MVが衝撃的だった。山口一郎が歩きながら歌われる瞬間に歌詞の文字が浮かび上がり、最後になるとまた最初の場所に戻ってエンドレスループで観ることができる演出。また、エレクトロとバンドサウンドが融合したようなサウンドにも惹かれた。


7位.STAY TUNE(Suchmos・平成28年)

 都会的でクールなサウンド。この曲あたりから、こういう音楽がJ-POPで注目されるようになって、好きな音楽が増えていった気がする。注目度の高いNHKサッカーW杯中継テーマ曲に「VOLT-AGE」を制作したのはその曲のサウンドに賛否が割れたが、そんな曲を紅白で披露したのも含めて、素晴らしいバンドだった。活動休止やHSUの死去などあったが、それぞれの活動の後、再び活動再開してほしい。


6位.恋(星野源・平成28年)

 この曲が主題歌に起用された星野源出演のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」自体も話題となり、後に共演した新垣結衣と結婚。星野源あまりにも大きな意味を持ったドラマ・曲でもある。東洋を感じるイントロ、多様な恋を描いた歌詞、ギター長岡亮介、ベースハマ・オカモト、ドラムカースケら実力者を呼んだ演奏、MIKIKOによる振り付け等、それらも取り入れられてあるMVとすべてが魅力的ですね。星野源もこのドラマ・曲で国民的シンガー・俳優になった。


5位.接吻(Original Love・平成5年)

 オシャレなサウンドに田島貴男のクセのあるボーカルが乗ることによって、渋谷系的な要素とそうじゃない要素が絶妙に融合した印象を受ける。当時としても荒めな画質のMVにもオシャレさを際立たせてて好き。


4位.キラーボール(ゲスの極み乙女。・平成25年)

 この曲のキーボードにはとにかく衝撃を受けた。キーボードがロックサウンド的にここまで装飾的じゃなくて主役で印象的なバンドってゲス以前にはあまり聴いてこなかった気がする。この時は川谷絵音の楽曲制作スキルよりもちゃんMARIを中心にバンド演奏スキルがすごかった印象。そして、まさかのショパン引用。ロックとクラシックとヒップホップ・ジャズが融合してる感じが、まさしくゲスの極み乙女。だったんだよなぁ。その後、川谷絵音の楽曲制作スキル(別に当時が低かった訳じゃないんだけど)も制作曲数もものすごく上がっていく。


3位.Tokyo Rendez-Vous(king Gnu・平成29年)

 ロッキンで初めて聴いた時に、この曲のイントロにもってかれた。以後CLUB GNUに加入して現在に至る笑 フロントマンの二人に注目されがちだけど、ヌーってリズム感が好きだしそれを支えてるリズム隊の二人あってのこのカッコいいサウンド。その上で、常田の豊富な音楽スキルや制作楽曲のかっこよさ、更には井口の美声がKing Gnuに少しのスキも与えず、音楽の幅をより豊富にしている。


2位.茎(椎名林檎・平成15年)

 椎名林檎って多国籍で無国籍な印象か彼女の音楽の一つの魅力で、西洋的なものと東洋的な物が違和感あるようで調和しているような絶妙な感覚で同居している。めちゃくちゃ単純に言うと着物でギター持って歌う姿が好きなんですけど、大正の世界観のMV、着物で歌い、あらゆるver.の中で日本語・英語、オーケストラや和楽器・ジャズ等あらゆる国籍のもので表現されるこの曲。これが好きな椎名林檎なんだと自分は思う


1位.なないろ(私立恵比寿中学・平成29年)

 エビ中とはバラエティ共演や楽曲提供と関係が深かったレキシ・池田貴史の提供。100sからのバンド仲間山口・玉田・町田とパーカス朝倉真司やサックス武嶋聡らによるバンドサウンドで普段、歴史と現代のことをリンクさせているレキシが、「なないろ」でも同様のサウンドで、彼らしい掛け言葉も交えながら、リリースされた年の2月に急逝した松野莉奈への想いとエビ中と池田自身が前を向きつつも起きてしまったことも引き受けた曲。彼女の死を反映しながら恋の始まりを歌い、明るいようで悲しさを何処かに感じるマイナー調。このバランスは改めてすごいと思う。


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