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「レぺゼンみたいな奴らの正体」の災難。
出勤すると会社の入り口の近くで地べたに座ったガラの悪そうな若者が数人たむろしていた。
会社は駅の近くにあるのでたまに朝帰りの若者たちがウロウロしていることはあるのだが、ここまで露骨に入り口の近くにいるのは初めてであった。
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一人は髪の毛が緑色、もう一人は金髪、そしてもう一人はもう寒くなってきたというのに半袖を着ていて、どうしても右腕から覗くタトゥを周囲にアピールしたくてしょうがないようであった。
「ばかそうなやつだ」
「絶対に関わらないでおこう」
と思っていたら、うちの会社で年末の繁忙期の間だけ働く短期アルバイトの人たちだそうで、今日はその研修があるようだ。
他の社員たちは「とんでもない奴らが・・・あわわわわ」などと言いながら、ぶるぶるとチワワのように震え、恐怖のあまり内臓器官が今にも口から飛び出さん勢いであった。
そんな情けないチワワどもの中、私は一人、ブルドックのようにどっしりと構え、そのアルバイトの若者たちを睨み付けてやった。
私はこう見えても武闘派だ。
拳、拳、拳の人生であったと言っていいだろう。
拳を交えたケンカは小学生の頃から経験済みだ。
古くはストリートファイターに始まり、餓狼伝説、バーチャファイター、鉄拳・・・等々、これまで数々の拳の勝負を繰り広げてきた・・・言わば猛者中の猛者である。
「俺に言葉はいらねぇ、いるのはこの拳だけだ!」
これが私のモットーだ。
おそらくだが、察するに自分がそのアルバイトたちの教育係のようなポジションに付かされることだろう。
すなわち、彼らにとって私が先輩であり、上司であり、絶対なのだ。
そうなったら、アルバイトだろうがパートだろうが何だろうが生意気という類のことは一切許す気はない。
私が教育係になる以上、すべてにおいてビシッとやっていくつもりだ!
社会の・・・いや、私の厳しさをバシバシビシビシと彼らには伝えるつもりである。
例えば、「廻るさん、パン買ってこいや!」と言われれば、「焼きそばパン・・・でしたよね?」とすぐさま買いにいくし、「廻るさん、肩もめや!」と言われれば、「え、いいんですか!」と喜んでモミモミするし、「廻るさん、代わりに日曜日出ろや」と言われれば、「もちろんですよ!」と日曜日も出勤する覚悟だ。
さらには若気の至りというべきか、その溢れんばかりの若さ故に時として私に盾突いてくるときもあるだろう・・・。
残念だが、そのときはさすがの私もこれまで秘めていた拳を出すつもりだ。
言葉で言ってもわからないやつには、拳で教えてやるのが一番だ!!
そうなったら、ボッコボコだぜ!(私が)
はあ、憂鬱だ。