風/秘密基地
風
僕は走った
血湧き肉躍る未来に向かって
やがて僕は疲れて歩き
そして芝生に寝転がった
風がそよいでいく
額を泳ぐ汗を風が撫でていく
彼らには過去も未来もない
高きから低きへ 世の理を再現する
僕は目を閉じて風になる
今だけはすべてを忘れて 風になる
やがて僕は立ち上がる
太ももに乗った虫を弾こうとして殺した
僕は風にはなれない
彼のような無私の贈与を私はできない
秘密基地
久しぶりの秘密基地
誰もいない秘密基地
変わらない温度
誰にも言えない話をしようよ
幼い日にはなかった秘密
大人になってなくしたあの日の秘密
また僕に教えてよ