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ミッションとビジョンは、どう使い分けるのが正しいのか

MVVとも総称される「ミッション・ビジョン・バリュー」ですが、これらの言葉の定義が曖昧なまま、会社の理念として据えているケースも少なくないはず。

今回はそんな、曖昧ランキングトップ5に入るであろう「ミッション」と「ビジョン」の使い分けについて、私なりの解釈で解説していきます。

ミッション・ビジョンとは

そもそも、ミッション・ビジョンを理解しないことには始まらないので、まずこの2つについて解説していきます。

以前、ブランドとブランディングの違いについての記事でも触れてますが、私の場合、カタカナ語・ビジネス用語特有の独自解釈は用いません。
あくまで、その言語が持つ元来の意味、語源を元に解釈します。

Missionミッションとは

語源でもある英語のMissionミッションの意味は、使命・任務などが挙げられます。

使命・任務と言われてもピンと来ない人もいると思いますが、そういうときは日本語の語源もしっかり抑えると理解が深まります。

使命とは、使者として受けた命(令)を表し、任務もまた、任された務めのことを指します。

つまりミッションとは、特定の人物が遂行すべきこと

これを企業に置き換えた場合、特定の人物というのは、例えば社長自身だったり、会社組織そのものと表すことができ、遂行すべきことは、社会が抱える問題や、特定の事象に対する課題を解決すること、と言い換えることができます。

創業者が解決する社会問題。
特定領域の課題解決に取り組む会社。

Mission(ミッション)とは

このように、ミッションとは規模が大きく、かつ抽象的な概念を指すときに用いることが適しています。

Visionビジョンとは

Visionビジョンは、視覚・視力のような意味もある一方で、夢・幻・未来といったファンタジーな要素も語源として含まれています。

ミッションとビジョンの使い分けで悩む人の多くは、このVisionビジョンの語源のおかげで、どう解釈すべきか分からないのではないでしょうか。

しかし、改めて考えてほしいのですが、Visionビジョンとは視覚・視力といった「視える」ことが前提の語源であることが伺えます。
つまり、夢・幻といった、一見すると抽象的な概念のように思われるこの言葉は、実はしっかりと目で見て確認できるもの、あるいは、不確実なものではなく認識ができるもの、という意味を指していると考えることができます。

これを企業に置き換えると、想像できない抽象的なことではなく、むしろ逆で、しっかりと見据えることができる、具体性のある夢、未来像が正しい理解と言えます。

Vision(ビジョン)とは

要約すると、

ミッション ... 企業として果たすべきこと。務めるべき問題解決。
ビジョン ... 具体性のある夢や未来像。

となります。

ミッション、ビジョンを要約すると

ミッション・ビジョンの役割

ミッション・ビジョンそれぞれの言葉としての理解はできたとして、では実際にどういう使い分けをすべきなのか、どういった役割を持たせるべきか、について考えます。

ちなみに、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を考える際に、ピラミッド型の設計をよく目にすると思いますが、この図に当てはめたときに、ミッションとビジョン、どちらが上位の概念として相応しいか、がよく議論の的となります。

ミッションとビジョン、どちらが上位概念として適切?

この議論について先に結論を述べると、ミッション・ビジョンのどちらも相応しいと言えます。
なぜなら、使命・責務としてのミッションを最上位で考える経営方針なのか、夢や未来としてのビジョンを最上位として考えるかは、その会社の考え方・マインド次第だからです。

これらのことから、ミッション・ビジョンの使い分けについてですが、まず会社として、組織として、チームとして、社長として、何を最優先で意識するのか(上位概念)を考え、その概念がミッション寄りなのか、ビジョン寄りなのか、と判断すると分かりやすいと思います。

ここで仮に、上位概念をミッションと据えたとして、その下に位置する中位概念はビジョンとすべきか、という疑問が生じると思いますが、必ずしもビジョンである必要はありません。

これについても重複しますが、企業において「上位概念の次に、何を意識するのか」を先に考えてから、その概念に相応しい定義を名付けるほうがいいです。
それがビジョン寄りの考えだったとしたらビジョンと名付けていいし、ビジョン以外に自分たちが腹落ちしやすい言葉があれば、それを中位概念として据えるほうが、結果的に自分たちの理解が深まることになります。

もっと言うと、会社の体制だったり、事業フェーズによっては、上位概念のみ意識しておけばいい、という判断があってもいいと思います。
また別の機会でまとめますが、必ずしもピラミッド、三層構造である必要性はないと考えます。

後半は少し話が逸れましたが、ミッション・ビジョンという言葉を意識した上で理念を考えるのではなく、会社として何を軸とするのかを考えた上で、それらの理念に相応しい概念の定義を与えていきましょう。

弊社では「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)にとらわれない、会社の理念創出」のお手伝いをさせていただいていますので、どういう風に行うか興味がある方は、ぜひフォロー・いいねなどをいただけると嬉しいです!

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